新たな国産4千トン級巡視船引き渡し 蔡総統「青い領土守る」/台湾
(高雄中央社)南部・高雄市の台湾国際造船(台船)で新造された4千トン級巡視船「雲林」が9日、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)に引き渡された。関連の式典に出席した蔡英文(さいえいぶん)総統は、巡視船艇の新造で海上パトロール力を順次強化し、台湾を囲む青い領土を守り、人々の命と財産、安全を確保すると決意を述べた。 「雲林」は3隻目となる国産の4千トン級巡視船で、この日は4隻目となる「台北」の命名・進水式も行われた。蔡氏は、政府は艦艇を国産化する政策を進めているとし、426億台湾元(約2千億円)余りの予算を組んだと説明。海洋関係の主務機関、海洋委員会が実施する巡視船艇の新造プロジェクトを全力で支持していると語った。 海洋委員会によると、雲林は南部の沿岸警備隊に配属される予定で、南部沿海の治安維持を図る。風速24.5~28.4メートルの風にも耐えられ、航続距離は1万カイリ(約1万8520キロ)、射程120メートルの放水砲3機を備える。医療設備も搭載している他、内政部(内務省)空中勤務総隊(空勤総隊)と協力し、甲板上でヘリコプターによる患者搬送も可能だという。 プロジェクトでは2018年から27年までに141隻の新型巡視船艇の新造を計画。海洋委員会は予定通りに進んでいるとし、艦艇の国産化政策を貫徹し、主権と漁業権を守るとしている。 (林巧璉、張栄祥/編集:齊藤啓介)