【ONE】体重超過のロッタンが完勝で「次は武尊と」と対戦を表明、秋の日本大会で実現か
ONE 167:Tawanchai vs. Nattawut II 2024年6月8日(土)タイ・インパクトアリーナ 【写真】ロッタンの左ボディが深くめり込む ▼第8試合 ONEフライ級 キックボクシング 3分3R 〇ロッタン・ジットムアンノン(タイ) [判定3-0] ×デニス・ピューリック(カナダ/ボスニア・ヘルツェゴビナ) ロッタンは2018年3月にスアキムを破り日本でも名が知られるようになり、同年6月にRISEに初来日。那須川天心とRISE世界フェザー級王座を争い、延長戦の末に敗れるも那須川を追い詰めて一躍人気選手となった。同年9月からONEに参戦し、2019年10月にボルター・ゴンサルベスを破りONEムエタイ世界フライ級王座に就いた。同王座は4度の防衛に成功。 2023年9月、スーパーレックとのキャッチウェイト戦(当初はロッタンが保持するONEフライ級ムエタイ世界王座を懸けたタイトルマッチで行われる予定だったが、スーパーレックが体重超過したためノンタイトル戦となった)で判定負け。2024年1月のONE日本大会で武尊との激突が発表されるも、左手の負傷で欠場していた。戦績は270勝43敗10分。 ピューリックは2015年1月にK-1に初来日、卜部功也にKO負け。2022年5月の『ONE 157』でONE初参戦を果たし、シャーゾット・カブトフに判定負け。8月にタギール・カリロフに判定勝利、2023年5月にヨードレックペットにTKO負け、12月にニューイエンにKO勝ちと勝ち負けを繰り返し、2024年4月にジェイコブ・スミスに判定勝ちしてONEでの戦績を3勝2敗とした。ブアカーオが所属するバンチャメークジムでムエタイを学んだほか、テコンドー、空手、MMAの経験もある。 ロッタンは約1.4kgオーバーで体重超過、ハイドレーションテストもパス出来なかったが、ピューリックが約64.06kgのキャッチウェイト戦を受け入れたため試合成立。ロッタンはファイトマネーの25%をピューリックに支払う。 1R。ロッタンが左インローで先制し、右ローも蹴る。ピューリックはその蹴りをキャッチしてのハイキックを繰り出すがこれは反則。左右ローを蹴り、左ボディ、右ストレートを打つロッタンは、ピューリックの動きに合わせてバックステップやステップインで一定の距離を保つ。そのためピューリックの左右フックは空振りが目立つ。 ロッタンが左右フックをヒットさせるとピューリックはロッタンのお株を奪うように自分の頭を叩いて“もっと打ってこい”と挑発。ならばとロッタンは左右フック、左ボディを打ち込み、ピューリックの返しのフックは空振りさせる。近距離だがロッタンが一方的にジャブ、右アッパー、左フック当てる展開となりピューリックは左フックにグラつく。 2R、ピューリックのパンチをボディワークで鮮やかにかわしていくロッタン。逆にピューリックの攻撃がやむと右ストレート、ジャブを当てていく。左ボディから左フックのダブルも。ピューリックは左右フックに加えて左右のミドル。このミドルと左ローがロッタンを捉えるが、続くパンチが当たらない。 ロッタンはヒザ蹴りと前蹴り、左ボディとボディへ攻撃をまとめていき、下がるピューリックに左右フックで前へ出る。ピューリックも左右フックを返すが、ロッタンの左右ボディ連打でケージを背負う。 3R開始前、観客を煽るピューリック。左フック、ジャブから左右フックと前に出るロッタン。右ストレートは相打ち気味になるが、ピューリックの左右フックはかわしていく。空振りが目立つピューリックへロッタンはヒザを突き刺し、ジャブをボディと顔面に。前に出るピューリックだがやはり空振り、バックスピンキックは不完全ながら当たるが、バックハンブローは空を切る。ジャブと左フックで前へ出るロッタン。右フック、右アッパーを叩き込み、ピューリックが前へ出てくると下がって左ボディ。そしてすぐにヒザで前へ出るロッタン。ピューリックは諦めずに左右フックを放って前へ出るが、ロッタンはほぼ当てさせない。 試合終了のゴングが鳴ると、両者は正座して抱き合い、肩を組んでケージを一周する。この試合までロッタンをさんざん煽り、体重超過にも怒りのコメントをしていたピューリックだが、健闘を称え合った。 判定は3-0でロッタン。ピューリックは笑顔でロッタンと抱き合った。 マイクを向けられたロッタンは涙を流し、「前回の試合に敗れて今回計量オーバーしていろいろな不安があったが勝てた。サポートしてくれたみんなありがとう」とコメントすると、その場に泣き崩れる。そして「次は武尊と戦いたい」と武尊との対戦を表明した。
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