【更年期、有森裕子さんの場合/インタビュー前編】イライラやホットフラッシュに一人で苦しんでいた
自分の症状は更年期が原因。そうわかってからはすべてがクリアに!
そんな有森さんの状況が一気に好転したのは、50歳のときだった。 ある講演会で有森さんの前に登壇したのが、産婦人科医師の対馬ルリ子さん。偶然にも、講演の内容が女性の更年期についてのお話だったのだ。更年期は誰にでもある当たり前のこと、そのときに起こる症状、対処法…。控え室で聞いていて「これ、私だ~」と。何もおかしいわけじゃないんだ。そういうことだったんだ! と目からウロコが落ちたようになり、半泣き状態だったという。すぐに自分の状況を相談すると「それは更年期障害、私のクリニックに来ればいいわよ」と。 「それからわりとすぐに受診の予約が取れ、女性ホルモンに関する数値を見てもらいました。閉経はしていると思っていたのですが、『まだ少しホルモンがあるから、低用量ピルにしましょう』と。処方された薬を飲んだら、もうてきめんでした。びっくりですよ、ホットフラッシュなんか1週間もかからずになくなっちゃって。えー、何だこれ、早く教えてよー! と。 むしろ自分に腹が立ちましたね、そんな情報さえ知らなかったことに。更年期は人として当たり前のことなのに、その情報が身近にまったくなかったということ自体がショックでした」 それから3カ月ほど低用量ピルの恩恵を受けたあと、再びクリニックで調べてもらった。次にホルモンを安定させるステップということで、別の薬を処方されたが、そもそも薬というものが好きではなかった有森さん。途中で飲まなくなったのだそう。 そして、更年期とのつき合い方を改めて考えるようになっていったのだ。再び体を定期的に動かすようになったと語る有森さんの最近のライフスタイルについては、インタビュー後編で。
●HAPPYに過ごす秘訣● 今は定期的にジムに通っているのだそう。体調もどんどん上向きに。週1回90分、パーソナルトレーニングを受けているのは、東京・荻窪にある「ナルシスコ パーソナルジム」。健康の情報交換の場でもある。 【話してくれたのは】 有森裕子さん Yuko Arimori●1966年生まれ。岡山・就実高校、日本体育大学を経てリクルート入社。’92年、バルセロナ五輪の女子マラソンで銀メダル、’96年のアトランタ五輪では銅メダルを獲得。’98年NPO法人「ハート・オブ・ゴールド」を設立し、スポーツを通した社会貢献活動に取り組む。2007年の現役引退後は幅広い分野で活躍し、国際オリンピック委員会(IOC)Olympism365委員会委員、日本陸上競技連盟副会長などを務め、’23年にはワールドアスレティックス(世界陸連)理事にも就任。
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