袴田巌さん 再審無罪判決後初めて公の場に 支援者に無罪の報告とお礼「無罪勝利が完全に実りました」
Daiichi-TV(静岡第一テレビ)
袴田巌さんのやり直し裁判で無罪判決が言い渡されたことを受け、29日、袴田さんが集会に参加し、支援者らに感謝の言葉を述べました。支援者は、検察側に控訴を断念するよう要請しています。 (袴田 巌さん) 「私が袴田巌でございます。待ちきれない言葉なんですけど、無罪勝利が完全に実りました。」 29日、静岡市で県弁護士会が主催した袴田巌さんの判決報告集会。車いすに乗って会場を訪れた袴田さんは、姉・ひで子さんと一緒にマイクを握りしめ、判決後、初めて公の場で無罪判決について発言しました。 (袴田巌さん) 「こがね味噌事件で無罪勝利ということで検察も認めた」「これからの闘いにおいては、政治的に社会的に地位を守っていく」「これが根本的なものでございます」「どこまで戦い勝てるか」「よろしくお願いいたします」 (姉・ひで子さん)「ありがとうって、言いな」 (袴田 巌さん) 「ありがとうございました」 帰り際には、袴田さんと家族ぐるみで付き合いのあった女性が声をかける姿もー (渡辺昭子さん)「勝ったんだよ」 (袴田 巌さん)「最後まで勝った」 1966年、旧清水市でみそ製造会社の専務一家4人が殺害された事件で、死刑が確定していた袴田巌さん。26日、静岡地裁は、捜査機関によって3つの証拠ねつ造されたと認定し、袴田巌さんに無罪判決を言い渡しました。しかし、まだ無罪が確定したわけではありません。この判決に不服がある場合検察は、控訴できます。そうすると東京高裁で争われることとなり、さらに審理は長期化します。 判決から2日後。都内の集会に参加した姉ひで子さん。 (ひで子さん) 「弟が47年7か月拘置所に入っていたということを何らかの形にしないと」 再審で無罪が言い渡されるまで58年かかったことから、再審制度の改正を訴えました。また、集会には2014年、静岡地裁で袴田さんの再審開始と釈放を決定した裁判官の1人、村山浩昭弁護士の姿もありました。 (村山浩昭 弁護士) 「(検察側が)控訴するかどうかという点では、全力で控訴させないように頑張っていきたい」 一方、30日、袴田さんの支援者は、静岡地検に控訴を断念するよう要請しました。静岡地検は「控訴するかどうかは上級庁と協議したい」と話しています。 控訴期限は10月10日です。