大後寿々花、“天才子役”として注目され…13歳で連ドラ初ヒロイン。学校生活は試験が大変「いつも友だちにノートを借りてました」
女の子同士の取っ組み合い
2009年には、西原理恵子さんの自伝的映画『女の子ものがたり』(森岡利行監督)に出演。深津絵里さん演じる主人公の高校生時代を演じた。 スランプから抜け出せない漫画家の菜都美(深津絵里)は、高校を卒業して以来帰省していなかった故郷の愛媛に。故郷を出て以降、絶縁状態になっているかつての友だちとのかけがえのない少女時代の記憶が蘇り、人生を見つめ直すことに…。 ――かつて大げんかをして決別した親友・きみこ(波瑠)とみさ(高山侑子)が、実はこのまま故郷にいたら菜都美もダメになると思い、自分を故郷から送り出していたことがわかるという切ない設定でした。 「そうですね。やっぱり最後の波瑠さんとの取っ組み合いのシーンが印象的でした。撮影の前日の夜に1回リハーサルはしているのですが、女の子ってそんなに取っ組み合いのケンカになることってあまりないじゃないですか(笑)。 だから、どうしたら大袈裟になりすぎず、ぶつかり合えるかというのが想像つかなくて。 でも、私が演じた菜都美は、突き飛ばされるまで取っ組み合いのケンカになるとは思っていなかったんじゃないかなって。だから、あまり考えすぎないで感じたままに動いたほうが自然に映るんじゃないかって思った記憶があります」 ――取っ組み合いのシーンの撮影はスムーズにいきました? 「リハーサルはしましたけど、撮影になるとまた違うので。あそこまでドロドロになるとは思っていなかったです(笑)」 ――かなり荒っぽい方法ではありますが、自分を送り出してくれたということが後にわかります。グッときますよね。 「そうですね。私は送り出される側でしたけど、波瑠さん演じるきみこが、『もう出て行け!』っていうのが『大好きだよ』という意味だよ、って監督さんがずっとおっしゃっていたので、それはやっぱり胸に来ました。撮影のときは無我夢中で、気がついたらいつの間にか涙を流していましたね」 ――スランプに陥って、10何年ぶりに帰郷してすべてがわかったときには、きみこはもうこの世にはいないわけじゃないですか。切ないですね。 「女の子の友情が切ないなって思いました。でも大好きな友だちを送り出すときには、これが精いっぱいだったんだなあって。 でも、銭湯の中に飛び込んだり、トラックの後ろに乗ったりという、普通は経験できないシーンもあったので楽しかったです。それと主人公を小学生時代(森迫永依)、高校生時代(大後寿々花)、現在(深津絵里)という3世代で描く映画というのはあまりなかったので、良い経験でした。おもしろかったです」