「カスタム=インチアップ」って思い込んでない? あえて16インチを選択したヴェゼルのHuNTに乗って感じた「インチダウン」のメリットとは
足もとのカスタムはインチアップが定番
クルマのカスタマイズやドレスアップといえば足もとの“インチアップ”が定番といえる。 【画像】マイナーチェンジしたホンダのベストセラーSUVの画像を見る(80枚) あらためてインチアップを説明すれば、タイヤが組み込まれ、一体となっているパーツ「ホイール径」を大きくすること。慣習的にホイール(=タイヤ内径)のサイズ表記の単位にはインチが使われていることで、インチアップ=ホイールのサイズアップを意味している。そして量産車において、ホイールをサイズアップするということは本来、ブレーキシステムを大きくして性能アップさせるためだった。とくにスポーツカーにおいて、大きなブレーキローターやブレーキキャリパーを収めるためにホイールがサイズアップしていったという経緯がある。 そうした進化の流れを受け、大きなホイールはスポーティに見えるというトレンドになっていき、ブレーキ性能にかかわらず、インチアップはカスタマイズだけでなく新車のデザイン的な視点からも定番の手法となっていった。 ただし、車体側に手を加えない限り、タイヤの外径は標準装着のサイズと同程度とする必要がある。 そのため、インチアップした場合には、タイヤの厚みを変えて(薄く)してつじつまを合わせる。たとえば215/60-16サイズのタイヤを18インチにインチアップする場合は225/50-18サイズにするわけだ。それぞれのサイズ表記にある60や50という数字は偏平率と呼ばれ、タイヤ幅に対する厚みの比率を%で示したときの大まかな数字となっている。 つまり、インチアップ≒低偏平率になるということだ。低偏平の薄いタイヤがもつ物理的な特徴として多くのドライバーが感じられるのは、タイヤのしっかり感が高いことだろう。シチュエーションでいえば、ハンドルを切ってコーナリングしようとする際に、思いどおりのラインを描きやすいというメリットがある。 また、上記の例でも示したように、インチアップとタイヤのワイド化は同時に行われることが多い。これもコーナリング性能アップに効いてくる。