築地市場移転問題で小池都知事が会見(全文1)豊洲新市場への移転は延期
小池百合子東京都知事は、築地市場の豊洲移転問題の方針について午後1時半より会見を開いて説明した。 築地市場の豊洲移転は11月7日に予定されているなかで、小池都知事は知事就任後に「いったん立ち止まって考える」と繰り返し発言しており、結論を出すために今月16日に両市場を視察した。 【中継録画】築地市場移転問題で小池都知事が会見
築地市場の豊洲新市場への移転は延期する
司会:それではこれより小池知事の記者会見を始めます。あらかじめご案内申し上げましたとおり、本日の知事の会見は14時まででございます。さらにご質問がある場合には引き続き顧問のほう、小島顧問のほうが質疑応答に対応させていただきますので、ご了承いただきます。それでは知事、よろしくお願いいたします。 小池:はい。皆さまこんにちは。本日は知事主催の記者会見と、このようにさせていただいておりますが、多数ご参加いただきまして、誠にありがとうございます。それではただ今より、築地市場の豊洲新市場への移転に関しまして、最初にまず、私のほうから結論を申し上げさせていただきます。 11月7日に予定されております、築地市場の豊洲新市場への移転については、延期といたします。また、11月2日に予定されております築地場内市場の閉鎖、およびその後の解体工事も延期とさせていただきます。延期の決断に至りました最大の理由でございますが、ご承知のとおり私はかねてより都民ファーストという言葉を繰り返し述べさせていただいております。つまり、都民の皆さま方、そして市場で働く皆さんにとってこの移転は本当に納得いくものであるのかどうか、また、あるべきだとこのように考えたからでございます。 11月7日の築地市場の豊洲新市場への移転につきましてはいろいろな話がございます。もう時間がないとか、規定路線を走るしかないだろうとか、何をいまさら立ち止まって考えるんだ、などというそんな強いご意見があることも、重々承知をいたしております。確かに豊洲の新市場、すでに建設済みでございます。そして土壌の汚染対策もこれも行ってまいりました。それから、都議会の皆さんも、業界団体の皆さんも移転については了承をされてこられました。また、11月7日に移転が行われないと環状2号線が、2020年のオリンピック・パラリンピックに間に合わないと、このようにもいわれております。移転の準備をしている業者の方々も、延期をすると混乱するではないか、このような意見があることは事実でございます。 しかしながら、小池都政におきましては、もう規定路線でしょ、一度決めたんだから、もう造ってしまったのだから何も考えなくてはよいという考え方は通りません。これまでの決定等で都民ファーストに基づいていないものについては、都民の皆さま方の目線で、情報を公開をして、そしてその事象の経緯を明らかにして、都民の利益を第一に考え、時には政策を変更して都政運営をしてまいる。このことについてはかねての会見等々で繰り返しお伝えをしてきたところでございます。 また、都知事選の選挙中、都民の皆さま方から豊洲新市場は安全なのかどうかという声も聞いておりました。そこで立ち止まって考えるべきと言ってまいりました。また、前回ご紹介いたしました、2008年に私自身が記しました豊洲について、また築地についての考え方、これも皆さんお読みいただいた方もおられるかと思います。まさしく、立ち止まって考えるべきということで、知事就任後も立ち止まって考えてきたわけでございます。 そして、知事に就任してから11月7日の築地移転について賛成、反対、それぞれのご意見をお持ちの業者、そして業界の代表者の方々のご意見も伺ってまいりました。また長くこの課題に携わってこられた方々からのお話も伺ったり、またそれに関する本なども読んでまいったところでございます。このように11月7日の移転については、賛否の両論がございます。一方で、豊洲新市場でございますけれども、使い勝手上の問題があるというお話も伺っているところでございます。 私自身、豊洲の新市場、視察をいたしました。もう大変な費用を掛けて大変立派な建物を建設し、また土壌汚染対策についても最新の技術を採用していること、これは実地に見て回ったわけでございます。もちろん役所の担当者の方々、関連部局の方々、経緯、考え方、そしてさらには専門家の方々のお話もつぶさに伺って、見て、伺ってきたところでございます。もちろん限られた時間の中での検討ではございますけれども、都民ファーストの視点から、私はまだ3つの疑問点が解消されていないと、このように考えております。