困った!W杯アジア2次予選延期の余波はA代表ではなく東京五輪挑むU-23代表へ…そしてJリーグ再開にも
フル代表のワールドカップ予選が延期となれば、今月27日のU-23南アフリカ代表(サンガスタジアム)、同30日のU-23コートジボワール代表(博多の森球技場)との国際親善試合開催は難しいと言わざるを得ない。実際問題として新型コロナウイルスを理由に、南アフリカ代表は来日を拒否する旨をJFAへ伝えている。 年代別代表の招集に関しては、各国協会は拘束力をもたない。例えばMF久保建英(RCDマジョルカ)らのヨーロッパ組を呼び、日本国内でキャンプや練習試合などを行う形に切り替えても、新型コロナウイルスを理由に各所属チームが難色を示す可能性が大きい。キャンプをヨーロッパに切り替えるにしても、短い時間のなか場所や対戦相手を調整できるかは未知数だ。 U-23代表と最大で3人を招集できるオーバーエイジとの融合に関して、森保監督はU-23代表がフランス遠征を行う6月シリーズから着手する構想を描いていた。フル代表が3月シリーズで2次予選突破を決め、6月シリーズを消化試合とする前提で、FW大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)やMF柴崎岳(デポルティボ・ラ・コルーニャ)ら、フル代表組のなかから必要な選手を選択する予定だったはずだ。 しかし、3月の2試合が6月にずれ込めば、状況が大きく変わってくる。対戦相手との力関係を考えれば、2次予選に臨むメンバーを落とす手も考えられる。しかし、森保監督の生真面目な性格と、最終予選をにらんだ強化も兼ねていることを考えれば、そう簡単に決断はできないだろう。 AFCはすでにACL東地区の一部日程も、5月以降にずらすことを可能としている。フル代表の3月シリーズ延期が正式に決まれば、今月18日からの再開を目指しているJリーグの判断にも影響を及ぼすだろう。東京五輪をも見すえながら、新型コロナウイルスに神経を尖らせる日々はまだまだ続く。 (文責・藤江直人/スポーツライター)