ニュージーランドの湖畔で自給自足ライフ! ミリオンヒット連発のプロデューサーが環境保護アンバサダーになった理由【前編】
ニュージーランドの森で暮らしていると、現代人がいかに環境に負荷をかけながら生きているかを痛感する。 「たとえば日本では、夜11時はおろか12時過ぎまで起きている人がいっぱいいるじゃないですか。その分、電気をムダづかいしているんですよね。ニュージーランドでは9時を過ぎると街は閑散として、『11時まで起きていた』というと、『うっそ!』とビックリされます。早寝早起きで朝型の人も多く、つかうエネルギーへの意識も非常に高い。早寝早起きは頭がすっきりして生産性も創造性もパフォーマンスもアップするし、環境や心身への負荷が減らせます。いいことばかりですよね」 2018年時点で、再生可能エネルギーによる発電が約84%という高い数字を達成したニュージーランド。環境への意識だけでなく、思想もかなりリベラルだそう。 「調べれば調べるほど、平等主義が古くから根づいていることがわかりました。1893年に世界で初めて女性の参政権が認められ、2022年には女性の議員数が男性を上回っています。1987年に世界一厳格と言われる非核法を制定して、核装備船や原潜の入港などを禁止。さらに2006年には手話が世界初で公用語化され、2013年にはアジア・太平洋の国として初めて同性婚を認めました。マイノリティや社会的弱者にやさしく、LGBTQを公言して受け入れられている人々も多数います」
リベラルな思想をもち、「環境保全先進国」であるニュージーランド。ではなぜ、同国は高い環境意識を共有できているのだろう。 「理由はシンプルで、人と自然との距離が近いこと。北島と南島かならる海に囲まれた島国であり、最大の都市であるオークランドの港の海も、小学生が大きな鯛を釣るほど豊か。都心から15分ほど車を走らせれば、きれいな青い海と自然豊かな森が広がります。サーフィンやキャンプ、トレッキングに釣りなどのアウトドア活動も盛んで、自然の中で遊ぶ機会が多いため自然破壊に市民が敏感です。ですから環境問題に対して、当事者意識がとても高いんですよ」