イノベーション創出でタッグ 刈谷市などが愛知県と連携覚書 製造業とスタートアップの交流深める
刈谷市と刈谷商工会議所、碧海信用金庫で組織する「刈谷イノベーション推進プラットフォーム」(KIP)と愛知県は15日、イノベーション創出などで連携する覚書を締結した。県が10月に名古屋市昭和区で開業した国内最大のスタートアップ支援拠点「ステーションAi(エーアイ)」に入居するスタートアップと刈谷市内の製造業などとの連携を深める。(刈谷) KIPは、刈谷市内の中小企業を対象にイノベーション・エコシステム(生態系)の形成に取り組む共同組織。今後、ステーションAiに入居するスタートアップとの個別相談会の開催などを通じて、スタートアップと地域企業の連携や協業を促進する。 ステーションAiで開催した締結式には、刈谷市の稲垣武市長、刈谷商工会議所の加藤英樹会頭、碧海信用金庫の深谷誠理事長、愛知県の大村秀章知事らが出席した。 冒頭、大村知事があいさつ。「ステーションAiのネットワークは、この建物だけでなく、国内外に張り巡らされている。今回の覚書を契機に、ものづくり産業とのネットワークがつながり、より強力な連携体制ができる」と期待を寄せた。
続いて、KIPの代表を務める刈谷市の稲垣市長が登壇した。「基幹産業の自動車産業は100年に1度の変革期を迎えている。刈谷市は産業の持続的発展に向けたさまざまなプログラムを展開してきた。今回の覚書締結により、中小企業のイノベーション創出がより活発になることを期待している」と述べた。締結式終了後には、刈谷市内の中小企業とスタートアップの連携事例などを紹介するイベントも開いた。 愛知県は、ステーションAiと県内各地のパートナー拠点が連携し、県内全域におけるスタートアップ・エコシステムの形成を目指している。2021年に「東三河スタートアップ推進協議会」、23年に「ウェルネスバレー推進協議会」がパートナー拠点になっており、KIPは3拠点目となる。