仙台育英 女子は3年連続の2位、男子は1区で痛恨アクシデントも3位…全国高校駅伝
◇全国高校駅伝 (22日、たけびしスタジアム京都発着、男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ) 女子の仙台育英(宮城)は最後まで追い上げを見せたが、3年連続の2位に終わった。アンカーを務めた細川あおい主将(3年)が区間2位の力走も18秒届かなかった。それでも8年連続表彰台(3位以内)と“伝統”をつなげ、来年こそは日本一を目指す。男子の仙台育英(宮城)は3年ぶりの3位も、1区に“アクシデント”があり悔しさが残る表彰台となった。 **** またしても頂点には届かなかった。18秒差の2位でゴールした仙台育英・細川主将は、倒れ込むとすぐにタオルで顔を覆った。「長野東さんのほうが自分たちより強かったのかな…。5区を任せてもらったのに申し訳ない気持ちでいっぱいです…」と、目に涙を浮かべながら声を振り絞った。一昨年、昨年と逆転を許した最終5区。1位とのタイム差31秒の3位から猛追し、1人を抜いたが、3年連続の準V。それでも釜石慶太監督は「先輩たちが築いてくれた8年連続メダル(3位以内)はつなげてくれた」と選手たちをたたえた。 “アップデート”してきた1年だった。昨年は優勝した神村学園とわずか1秒差。指揮官は「今まで伝統としてやってきたことが本当にいいものなのか、必要なのかどうかを確認しながら、精度や質など細かい部分を意識してきた」と、ウォーミングアップのやり方など新たな取り組みで力をつけてきた。細川主将も「ケアの時間や睡眠時間など、日常生活に陸上を取り入れてきました」。1秒の重みを感じ、それを克服するためすべてを費やしてきた。 レースは2区が区間24位で9位に後退。3区からの追い上げも及ばなかったが、釜石監督は「悔しさはあるけど、1年間の取り組みは素晴らしいものだった。(2区までの)なかなか力を発揮できない流れで2位まで来られたのは成果」と評価した。細川主将は「プレッシャーも多いと思うけど、それに負けずにリベンジしてくれたら」と後輩たちに思いを託した。来年こそ“4度目の正直”で頂点を必ずつかむ。(有吉 広紀) **** 男子・仙台育英は4区終了時で一時トップに立つなど見せ場をつくった3位でも、選手たちが抱いたのは悔しさだった。「もう少し先頭に近い位置で(タスキを)渡せたら、と思うとずっと悔しさが残っています」と話した1区・近江亮(2年)は、レース途中に接触で転倒し、左足の靴ひもがちぎれるアクシデントがあり区間14位。2区以降は全員が区間5位以内の走りで追い上げただけに、千葉裕司監督は「1区がうまくいけば…。流れって大事なんだなと思いました」と振り返った。 この日走った7人のうち1、2年生が5人。都大路でリベンジする機会は残っている。「予定通りにいっても(優勝した)佐久長聖さん(のタイム)には届かなかった。強かったですね」と完敗を認めた指揮官は、「選手たちは、3位で悔しいです、と言っていた。そう思えたのは成長。そういうメンタリティーじゃないと上では戦えない」。3年ぶりの表彰台、6年連続入賞でも満足せず、上を見据える意識を選手たちが持ったことに手応えを感じた。 「チームとしてのまとまりを意識しながらもっと練習していきたい。来年こそ1区で流れをつくって優勝できたら、と思う」と前向きに語った近江。悔しさを糧に日本一を目指し、1年間練習を積んでいく。 〇…東北は、21年ぶり出場の女子が過去最高を一つ上回る35位、9年ぶり出場の男子は一時入賞圏内を走るも12位に終わった。女子1区で区間20位だった男乕(おのとら)結衣(1年)は「思うような走りができなくて悔しい」。それでも全国高校総体に2種目で出場するなど多くのレース経験を積んだ1年を「学ぶことばかりでした」と、来年以降の飛躍につなげると誓った。 〇…男子・学法石川は1区・栗村凌(2年)が区間6位、3区・増子陽太(2年)が区間4位と序盤のいい流れに乗り、19年以来5年ぶりの5位に食い込んだ。松田和宏監督は「頑張ってくれました。強い2年生がたくさんいるので、けがせずに1年間レベルアップしていけたらいい」と語った。
報知新聞社