祖母が「扇風機」だけで夏を乗り切るらしいのですが、危険ですか?エアコンに替えたら1ヶ月でいくら電気代が高くなりますか?
近年の猛暑により、熱中症のリスクが高まっています。特に高齢者は体温調節機能が低下しているため、暑さに対する対策が必要です。 今回は、高齢者が熱中症になりやすい理由、扇風機とエアコンの電気代について紹介します。安全を保ちながら快適な夏を過ごすための参考にしてください。 ▼エアコンを「24時間」つけっぱなしだと、電気代はいくらかかる? 1ヶ月の電気代を試算
なぜ高齢者は熱中症にかかりやすいの?
総務省消防庁の「全国の熱中症による救急搬送状況」によると、令和6年7月15日~7月21日の1週間で、熱中症により救急搬送された人数は9078人でした。そのうちの半数以上を高齢者が占めており、人数は5058人です。また、発生場所別にみると、建物内での発生割合が最も高く、9078人中3380人が住居で発生しています。 では、なぜ高齢者は熱中症にかかりやすいのでしょうか。環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」によると、高齢者が熱中症にかかりやすい理由は以下の通りです。 ・「暑い」と感じにくくなる ・行動性体温調節が鈍る ・発汗量と皮膚血流量の増加が遅れる ・発汗量と皮膚血流量が減少する ・体内の水分量が減少する ・のどの渇きを感じにくくなる 高齢になると、体温を調節する力が弱まり、暑さを感じにくくなります。実際に、厚生労働省は令和3年の東京都23区における熱中症によって死亡した65歳以上の高齢者の9割は、エアコンを使用していないという結果でした。高齢者自身が気づきにくいことも多いので、家族やケアを行う人々が、エアコンの適切な使用を促すことが大切です。
扇風機をエアコンに替えた場合、どれだけ電気代が高くなる?
表1では、扇風機を20ワット、エアコン(冷房)を550ワットとそれぞれ仮定し、1時間あたりのおおよその電気代を算出します。 なお1時間あたりの電気代を求める計算式は、消費電力(ワット)×電気料金単価(円/キロワットアワー)です。電気料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会に基づいて、31円/キロワットアワーを使用します。 表1
※上記条件を基に算出し、筆者作成 扇風機とエアコンでは消費電力に大きな差があります。エアコンの消費電力は、稼働状況で大きく変動しますが、一般的にエアコンの方が扇風機よりも電気代は高くなる傾向にあります。 このデータを基に、それぞれ24時間つけっぱなしにした場合の電気代を1ヶ月あたりに換算すると、以下のようになります。 【扇風機】 1ヶ月あたりの電気代:約432円 【エアコン】 1ヶ月あたりの電気代:1万2240円 扇風機をエアコンに変えた場合、1万1808円も電気代が高くなることが分かります。エアコンも扇風機も機種や使用時間によって電気代が変動するため、目安としてお考えください。