「一番力のないDeNAだからこそ、一番優勝のチャンスもある」初代監督・中畑清が12年前に予言していた「日本一へのシナリオ」
「怠慢プレーをする選手は絶対に許さない」
そんななかにあって、昨季終盤に素質の片鱗をうかがわせたのは、打者なら昨シーズン40試合に出場し8本塁打をマークした将来の4番候補・筒香嘉智、ピッチャーなら195cmの長身で昨年10月、プロ初勝利を挙げた国吉佑樹。共に当時20歳だった。 中畑監督の眼鏡に適うのは、どんな選手なのか。 「キャンプ前からいろいろ名前は挙がっていただけど、本当に期待していい選手かどうかは肌と肌を合わせてみなとわからない。先入観なしで一緒に行動をともにし、見極めてからだね。 ただ、これはシーズンに入ってからもそうだけど、全力プレーでミスをしたなら咎めることはしない。ただ、怠慢プレーをする選手は絶対に許さない。どんな条件、どんな理由があろうとも、それをやったらプロの選手じゃないし、それを許してしまったらプロの監督じゃない。 あとは日ごろの言動とかまではうるさく言うつもりはないよ。若いうちは少々の愚痴を言ったり、俺ら首脳陣の文句を言ったりしてもいい。夜の街で暴れるだけの体力があったら、むしろそいつを使うかもしれない。それくらいの元気がほしいね。俺自身がそうだったから、そういうところはちゃんと認めてあげたいと思っている。オンとオフのスイッチの切り替えはすごく大事だから」 オフの部分は放任するが、その分オフのときには容赦しない。2012年2月1日から沖縄県宜野湾市で始まったキャンプは6勤1休のハードスケジュール。夜間練習も含めて一日10時間以上練習を強いた。 「厳しいのは当たり前なんだぞという選手へのメッセージです。俺の発信を受けて、キャンプインするまでの時間を彼らがどういうふうに過ごしたか。何事もいい結果を出すためには、どれだけの準備ができるかなんだ。狙い通り選手たちは自主トレをかなりやってくれていた。厳しいのが当たり前だと思ったら、そんなに辛いとは感じないもの。 あとは勝つ喜びみたいなものを、これから時間をかけながら作り上げていきたい。若い選手が多いから飲み込みも早いし、一度自信がつくと、それがものすごい勢いになる。一番力のないチームだけど、一番チャンスもあるチーム。いっぺんに成長する可能性がある。若い選手が働きやすい環境作りができて、選手が本当にその気になってくれたら、おもしろいチームができるんじゃないかな」