人脈ゼロ・語学力ゼロでモナコに移住。専業主婦だった女性が、50歳から「手放したもの」とは?
日本人で唯一、モナコのパレスエリア(王宮前)に暮らす女性がいます。それが、今回ご紹介するエミチカさんです。モナコ公国は世界の億万長者が住む国として知られ、100万ドル以上の純資産を保有する「ミリオネア」が人口の3分の1を占めるとも言われている国。 そんな富裕層が集まるモナコに約10年前に移住したエミチカさんは、実は50歳まで日本で専業主婦をしていました。転機となったのは、眼科医だった夫の急逝。夫がクリニックを営んでいたことから、妻であるエミチカさんが多額の負債を抱えることになり、紆余曲折の末に起業を決意。ビジネスのノウハウもわからぬままひた走る中、エステティックサロンの経営や化粧品ビジネスに携わり、自分でも気づかなかった実業家としての才能を徐々に発揮していきました。 その間には病気も経験して何度も手術を繰り返すなど、決して平坦な道ではありませんでしたが、現在はモナコを拠点に「世界へ羽ばたく女性のニューリーダー」を育成する活動に熱を注いでいます。 今回は、そんなエミチカさんの新著『「逢いたくなる」オーラをはぐくむモナコからの言葉77』から、元専業主婦のエミチカさんが、50歳・マイナスからの再出発で手放したものについて、特別に一部抜粋してご紹介したいと思います。
覚悟があるから、友だちはいりません
友人は多ければ多いほどいい――昔から、そんな意識が根付いていると思います。しかし私が思うのは、極端な話「友だちはいらない」ということ。そんなことを言ったら、冷たい人間だと思われるでしょうか。でも、自分が何か変わろうとしているとき、昔なじみの友人に相談をしたら、どんな答えが返ってくるか想像してみてほしいのです。 ずっと専業主婦だった私が急に「起業したい」と言ったら。語学力ゼロ、人脈ゼロの私が「モナコに住みたい」と言ったら。目の前にいる友人はきっと、「あなたにはできっこない」「危ない橋を渡るのはやめておきなさい」と返してくるでしょう。そして、「誤解しないで。あなたのためを思って言っているのよ」と付け加えるかもしれません。 私が伝えたいのは、人生に変化を起こしたい人にとって、昔からの友人のアドバイスは役に立たない、ということです。特に、広大な未来へ挑戦しようとする人間に対して、過去からの延長線上にある関係性に、未来への背中を押す答えはありません。