医師になるための学費は「何年で回収」できる?「医師の平均年収」はいくら?
医師といえば高収入な職業の一つであり、一方で、なるためにはお金がかかるというイメージがある方もいるでしょう。 医師免許を取得するには、大学の医学部(6年間)で医学を学び、医師国家試験に合格する必要があります。さらにその後、臨床の現場で研修を積まなければなりません。 今回は、医師になるための費用はどれぐらいかかるのか、また何年働けば費用を回収できるのかについて調べてみました。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
医師になるまでに必要な費用は?
医学部がある大学は、国公立大学と私立大学の2つに分けられ、その学費にはかなり差があります。文部科学省によると、国公立大学の医学部を卒業するまでに必要な学費(入学金を含む)は、およそ350万円~360万円であることが分かりました。 一方、私立大学の医学部では大学によって大きく異なりますが、国公立大学の学費と比較して高くなります。私立大学医学部の学費は、およそ2000万円~4500万円と幅広いことが分かりました。国公立大学の10倍以上の費用が必要な大学も少なくないようです。 このほか、入学するまでには受験料や、予備校に通う場合の費用もかかります。また入学後は、通学のための交通費や、実家以外から通う場合は下宿・寮などの費用、教科書代や実習のための費用なども必要です。
医師の平均年収は?
医師は高収入を得られる職業の一つといえます。したがって、勤務形態などによって差があるものの、医学部で勉強するためにかかった学費は比較的早期に回収可能といえるでしょう。 厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」のデータによると、従業員10人以上の医療機関において働く医師の平均年収はおよそ1278万円となっており、これは産業全体の平均と比較して約1.8倍の金額となります。勤続年数別の収入については以下の通りです。 表1
※e-Stat「令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」を基に筆者作成 医師になるには大学卒業後、最低でも2年間の研修が義務付けられています。研修医の期間の年収は、0年(1年目)と1年~4年に含まれると考えると、医師の平均年収には及ばないことが分かります。