あの“鬼コーチ”エディー・ジョーンズが…優しくなった!? 9年ぶり日本代表HC復帰で「怖かった。ダメばかり言われた」頃から何が変わった?
「優しいですよ」 多くの選手が口を揃えた。 「練習はメチャメチャキツい。でも面白いです」 【写真】「えっ、顔小っさ…でもやっぱりコワそう」約40年前、体育教師時代の細身のエディーさんの激レアショット&「新生ラグビー日本代表」宮崎合宿でのトレーニング風景も全部見る そんな声も多かった。 エディー・ジョーンズHCが復帰したラグビー日本代表の本格スタートとなった6月6日からの宮崎合宿は、予想以上に活気のある「元気な」合宿だった。
全体練習を終えたリーチが「すごく楽しかった」
最初の全体練習となった10日のセッションを終えたリーチマイケルは開口一番「すごく楽しかった」と笑顔で話し、続けた。 「2015年までとは違う。あの頃は地獄だった(笑)。選手ひとりひとりの質が高くなっている。スキルレベル、ラグビー理解度が高くてプロフェッショナルな選手が多いので、根性を鍛えるような練習をする必要がないんだと思う」 10日の練習はチームを2組に分けた実戦形式のアタック&ディフェンス。11日はU20日本代表候補を相手に「試合」。それもエディーが提唱する「超速ラグビー」を体感するための特別ルールで。トライが生まれてもキックオフではなくすぐ近くのラインアウトで試合は再開される。 ノックオンなどがあれば「ターンオーバー」の声とともに後方にボールが転がされゲームは継続。ブレイクダウンは一瞬で完了し、ボールは瞬時にSHからファーストレシーバーに送られ、速いテンポで次々とボールが展開され、選手は息を整える時間もない。 リーチはじめ選手たちはそれを「めちゃくちゃキツいけど楽しい」と評するのだ。休むことなく動き続け、仕掛け続け、世界中のどこよりも速くボールを動かす――それが、世界のTOP4を掴むためにエディーが提唱し、日本代表が体現しようとする「超速ラグビー」なのだ。 初の代表入りながら新生ジャパンでリーダー候補の一人と目されるHO原田衛は初めて指導を受けたエディーについてこう話した。 「メチャメチャ話がうまくて、ワクワクさせてくれる。イングランド戦に向けてみんなでやっていこうという意識を高めてくれる感じがすごいなあと……」 そう言って、原田が「話の上手さ」の例としてあげてくれたのが、宮崎合宿で最初のミーティングの一場面だった。 「井上尚弥さんが表紙になっている『Number』を見せて『2027年にはこの表紙を飾るのがこのメンバーだ。このイングランド戦はそのためのターニングポイントになるんだ。ワールドカップでは2019年に4勝して2023年には2勝に下がった。このまま下がっていくのか、それとも上がっていくのか、それはお前たち次第なんだ』と。ワクワクしました」 前回、HCに就任した2012-2015年は、リーチが「地獄だった」と喩えたスパルタ式のハードなトレーニングが続いた。朝6時からの早朝トレーニングを皮切りに3部練習、4部練習。エディーHCは選手を体力的にもメンタル的にも追い込み、タフになれと求め続けた。だが今は違う。若手時代にエディージャパンを経験した坂手淳史は苦笑する。 「優しいですよ。僕は大学生だった2013年から2015年の間に何度か合宿に参加したけど、エディーさんは怖かった。ダメダメばかり言われてました」
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