アンチェロッティが語るレアルのプレー哲学「私たちのフットボールは”ロックンロール”。ファンは良いプレーより勝つことを望んでいる」| ラ・リーガ
21日のラ・リーガ第6節、レアル・マドリードは本拠地サンティアゴ・ベルナベウにエスパニョールを迎える。前日会見に出席したカルロ・アンチェロッティ監督は、これまで通り結果を出しながらチームのパフォーマンスを改善していく意思を示している。 トニ・クロースの引退、FWキリアン・エンバペの適応不足を要因として、低調なパフォーマンスが続くレアル・マドリード。それでも今季公式戦の成績は5勝2分けと、結果はしっかりと出している。 アンチェロッティ監督は、現在のような調子で進み続けながら、パフォーマンスと結果を両立させていくことを目指すようだ。 「もっと改善され、進歩を遂げたレアル・マドリードを目にしたいと思っている。私たちは良い波に乗ってはいるんだ。ここ最近の試合には勝っているし、このまま進み続けたらいいと思っている」 イタリア人指揮官はその一方で、レアル・マドリードがシーズン序盤に苦戦する傾向にあることも説いている。 「私たちが最高のレベルにないことは知っている。だがシーズン序盤では当然のことだよ。ここ数シーズンの私たちは、9月に全力を出せた試しがない。私たちは全力になるのはシーズンが活気付く10月か11月になってからなんだよ。現状は、とても良い調子だと思っている」 アンチェロッティ監督はまた、レアル・マドリードのファンが縦に速い攻撃でゴールを狙う、“ロックンロール”のフットボールを好んでいるとも語った。 「ここのファンは私たちが行っていることを歓迎している。もっと良いプレーを見せることもできるだろうが、マドリードのファンは何度もボールに触れるフットボールではなく、“ロックンロール”のフットボールに慣れ親しんでいるんだ」 「マドリードのファンは良いプレーより勝つ方が好きなのだと思っている。理想は良いプレーをしながら勝つことなのだろうがね。シュトゥットガルト戦で、私たちはファンタスティックなプレーを見せたよ」 「“ロックンロール”のフットボールは楽しく、面白いものでなくては。インテンシティーとプレーリズムが高く、相手ゴールにたどり着くまでに時間を無駄にしてはいけないんだ。垂直にプレーすることこそが、この陣容の有する特徴となる。私たちにはボールを持った際に力強く、エネルギッシュなプレーを見せる選手たちがいる。そこを生かさなければならないんだ」 チャンピオンズリーグのシュトゥットガルト戦(2-1)では、相手のハイプレスに苦しみチャンスを量産されたが、解決法はあるのだろうか。 「なぜ、これだけチャンスをつくられているのかを分析している。シュトゥットガルト戦については、後方からのビルドアップでミスをしていたからだ。昨日、(モナコに敗れた)バルセロナにも同じことが起こり、彼らは退場者を出してしまった。レアル・ソシエダ戦でも同じことが起こり、ビルドアップのパスで失敗していた」 「確かに相手にチャンスを許してしまっているが、相手がチャンスを生み出しているというのは、私たちがボールを失っていることを意味するんだよ。これは守備の均衡やトランジションのポジショニングが原因ではない。ああした状況を回避するためにすべきことは、より良い守備を見せることではなく、ロングボールを使うこととなる。そうすれば問題を回避できる」 シュトゥットガルト戦では、途中出場のFWエンドリッキが終盤にゴール。アンチェロッティ監督は同選手に好感を覚えているようだ。 「今後の試合でレギュラーになることもあるだろう。彼はレアル・マドリードの多くの試合でレギュラーを務めることになるんだ。そのクオリティーを考えれば当然だよ。彼は謙虚な若者で、口数少なく懸命に働く。その姿勢は大好きだよ」 アンチェロッティ監督はまた、フットボール界の過密日程についても言及。現在DFダニ・カルバハル、マンチェスター・シティMFロドリなどが、ストライキを行うことを示唆している。 「フットボール界は考えを改めなければならない。負傷を回避するために試合数を少なくすることを目標とすべきなんだ」 「選手たちは減俸を問題としていない。試合数を減らせるならばね」