S&P500、最大のリスクは中国の反応…トランプ関税案に激しい報復はないと専門家は予想(海外)
トランプ次期大統領の勝利でS&P500は急上昇したが、中国によるリスクが立ちはだかる。 中国は、トランプ次期大統領による60%の関税案に対し、大幅な報復措置を取る可能性がある、とキャピタル・エコノミクスは述べた。 テック企業はリスクにさらされている。アップルやテスラといったメガキャップ企業が中国で製造、販売を行っているからだ。 株式市場はドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領の勝利以降急騰し、S&P500も大きく上昇した。 しかし、トランプ次期大統領の勝利は減税や規制緩和によって株式市場のさらなる上昇の可能性を開く一方で、その他のリスクに対する脆弱さが増すことにもなる。 キャピタル・エコノミクス(Capital Economics)のチーフマーケットエコノミスト、ジョン・ヒギンズ(John Higgins)によると、S&P500に立ちはだかる最大のリスクは中国で、具体的には、トランプ次期大統領による新たな貿易戦争に対する反応だという。 「おそらくS&P500にとって最大のリスクは、AIをめぐる誇大広告でこの指標のバブルが膨れ上がっていることを考えると、自国のテリトリーで稼働するアメリカ大手テック企業への、中国の報復的な弾圧だろう」とヒギンズは11月11日のメモに書いた。 選挙期間中、トランプ次期大統領は、中国からの輸入品すべてに60%の関税を課すことを提案した。1期目に一部の製品に課していた25%から、急激にエスカレートすることになる。 中国製品に対して60%を課すとするトランプ次期大統領の関税案が成立し、中国が攻撃的な反応をした場合、アメリカにとって最も重要な複数の企業に圧力がかかる可能性がある。アップル(Apple)やテスラ(Tesla)など、現地で製造・販売を行う企業だ。 中国は、アメリカ企業の製品の国内での販売を制限することから、アメリカ企業の製造の妨害をすることまで、何でもできる。 だがヒギンズは、そうはならないだろうと考えている。貿易戦争の激化は、すでに苦戦している中国経済にさらなる打撃を与えることになるからだ。
Matthew Fox