90年ぶり「陸奥湾」震源のM5以上の地震 いまだからこそ考えたい「防災」【#1】『日本海溝・千島海溝地震』東日本大震災の死者数の「2倍以上」の被害想定 「来るべき災害への備え」どうする?(全3回)
河村庸市キャスター 「それではじっくりとお話伺ってまいります。青森県は三方を海に囲まれていまして、知事も以前の会見で、青森県自体が半島だという言葉もありました。この地形もありまして、東日本大震災を上回る被害が想定されるのが「日本海溝・千島海溝地震」です。この地震についての被害想定などについて、市川キャスターお願いします」 ■「日本海溝・千島海溝地震」とは… 市川麻耶キャスター 「はい。北海道と東北の太平洋沖にある日本海溝・千島海溝沿いで巨大地震が発生した場合、最悪のケースで、約19万9000人が死亡する恐れがあると、国は推計しています。北海道の被害イメージと同様に青森県でも同じような被害が予想されています。県の地震と津波の被害想定では、八戸市で最大26.1mが予測されている他、震源から遠い陸奥湾の沿岸、青森市でも広い範囲の浸水が予測されています。 青森市で想定されている浸水エリアを見ていきます」 「青森市では、沿岸に近い青森市役所や県庁にも津波が押し寄せ浸水すると予測されています。県の被害想定は、死者が最大で5万3000人。これを市町村別に見ていくと、最悪のケースで青森市は2万1000人。八戸市1万9000人。むつ市で4700人が死亡すると予測されています。建物被害も八戸市で5万1000棟。青森市で2万3000棟が全壊するなどと想定されています」 河村庸市キャスター 「大変ショッキングな試算ですけれども、非常に広い範囲で津波の被害が想定されますので、様々な施策が必要かと思いますが、一番危惧していること、またそれに対する備えはどうお考えでしょうか」 ■「東日本大震災の死者数の2倍以上の方々が亡くなる想定になる」 知事が最も危惧する死者数 青森県・宮下宗一郎知事 「やはり一番危惧しているのは、この死者の数ですね。これ5万3000人というのは、これは本県だけで東日本大震災の死者の数の2倍以上の方々が亡くなるっていう想定になります。ただ一方で、速やかに避難をすればですね。この7~8割 軽減されるというふうにも言われていて。ただ、8割軽減されても1万人以上の方が亡くなるんですね。ですから、その備えというのはまずは市町村による避難所の再構築が必要だと思います。避難ルートの周知。皆さんにお知らせするということも大事ですし、また、あるいは津波防災施設ですね。こういったものを各地で設置していくことなんかが、必要になってくるというふうに考えてます」