【NFL】波乱に満ちたプレシーズンゲームを振り返るラムズQBベネット
クオーターバック(QB)ステットソン・ベネットのフットボールの旅は2023年に予想外の方向へ転じ、ほぼ1年間、実践に出場しない時期が続いていた。
そういった時間も、ベネットが在籍するロサンゼルス・ラムズとダラス・カウボーイズが現地11日(日)にプレシーズン初戦で相まみえた際に終わりを迎えている。想定されていたとおり、ベネットはインターセプトを4回喫するなど、さびついた動きを見せた。一方で、ジョージア大学でナショナルタイトルを獲得する原動力となった勝者のメンタリティも示しており、プレー13回で70ヤードのドライブを導き、試合時間残り4秒の状況でタイトエンド(TE)ミラー・フォリストールに逆転勝利のタッチダウンパスをつないでいる。
ジョージア大学へのウオークオン(一般生)としての入学から、離脱を経ての奨学生選手としての復学。その後、NFLでの新人シーズンの大半をメンタルヘルスの問題への対処に費やしてきたベネット。そのフットボール人生を定義づけるものがあるとすれば、それはまさに、今回のような経験にあたるだろう。
『Associated Press(AP通信)』によれば、ベネットは試合後に「たぶん、俺が経験した中で1番奇妙な試合だった」とふり返ったという。
「でも、今日は自分自身に、みんなで困難を乗り切っていくんだと言い聞かせていた。俺の目標はメンタルな部分でのエラーをしないこと。基本的に、オフェンスを正しく動かしていくことだった」
「もちろん、いくつかのミスがあったけれど、最後はエンドゾーンまでボールを運ばなきゃ負けという状況で、みんながやり遂げるために頑張ったと思う」
確かに、彼らは奮闘した。ベネットが自分の動きに逆らってサイドアームで投げ、フォリストールがキャッチしたボールが決勝点になっている。それは、ベネットが衝撃的な4度のターンオーバーを喫した後のことだった。何はともあれ、これは成長の兆しだ。1試合で4度のインターセプトを喫するのは、もちろん良いことではない。しかし、その責任を負うパサーが忍耐強く戦い、勝利への道を見出したのであれば、決して受け入れがたいことだとは言えないだろう。