“海外帰り”の馬は「GⅢ」や「馬体重増」で妙味あり 東大HCがデータで検証
馬体重増で期待度アップ
<過去10年の海外帰り初戦 馬体重の増減別成績(重賞のみ)> 前走から+10kg以上【3-4-3-20】勝率10.0%/連対率23.3%/複勝率33.3%/単回67%/複回112% 前走から+9kg~+4kg【6-1-2-15】勝率25.0%/連対率29.2%/複勝率37.5%/単回77%/複回67% 前走から+3kg~-3kg【3-4-1-25】勝率9.1%/連対率21.2%/複勝率24.2%/単回50%/複回45% 前走から-4kg~-9kg【0-3-0-6】勝率0.0%/連対率33.3%/複勝率33.3%/単回0%/複回47% 前走から-10kg以下【0-0-0-2】勝率0.0%/連対率0.0%/複勝率0.0%/単回0%/複回0% 最後に馬体重の増減に注目する。 最も勝率が高いのは前走から+4kg~+9kgに該当する馬。単複の回収率はともに70%前後と強調はできないが、馬体重がやや増えているというのは状態が高い値で安定していることの証明なのだろう。 最も妙味があるのは前走から+10kg以上の馬で複勝回収率は112%とプラス域。勝率、連対率は+3kg~-3kg帯と大差ないが、急激な馬体重の変化が嫌われ、人気を落とすことで妙味が生まれている。特に、海外輸送などで馬体が減った馬に関しては、元に戻ったとプラスに捉えるべきだろう。今年の高松宮記念を6番人気で勝利したマッドクールはその前走の香港スプリントで10kg減だったが、そこから+18kg。この条件にピッタリ合致していた。一方、前走から馬体をある程度減らしている馬は回収率が低く、割引が必要だ。 馬体重を計測しないドバイ帰りのドウデュースやジャスティンパレスにはこのデータを適用できないが、香港などから帰ってきた馬を評価する際に覚えておきたい。 《ライタープロフィール》 東大ホースメンクラブ 約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。
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