レッドブルF1のお家騒動は続く。重鎮マルコは追放回避もチーム内部で“狡猾な計画”があると示唆。しかしホーナー代表は否定
レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、チーム内でレッドブルの重鎮ヘルムート・マルコを追い出そうとする“狡猾な”計画があったとする告発を否定した。 【ハイライト動画】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 シーズン開幕前から、レッドブル・レーシング上層部をめぐっては混乱が続いている。ホーナー代表は女性従業員への不適切行為疑惑によって望まない注目を集め、チームを所有するレッドブルGmbHのモータースポーツアドバイザーであるマルコは、ホーナー代表の疑惑に関する機密情報のリークに関与した可能性があるとしてチーム内での地位が脅かされた。 サウジアラビアGPでマルコは、予選を前にした段階でこのグランプリ後に停職処分を受ける可能性があることを明かしていたが、決勝日の朝にはレッドブルGmbHのマネージングディレクター、オリバー・ミンツラフと話し合いを行ない、マルコは情報漏洩に関与していないことが確認され、現職続投が決まった。 レース直前、オーストリアの放送局『ORF』の取材に応じたマルコは、自身がリークに関与していたとの噂を一蹴し、サウジアラビアGPでの展開が自身を陥れるための意図的な計画であったことをほのめかした。 リーク関与疑惑について訊かれたマルコはこう答えた。 「全くくだらない。自分のiPhoneを半分コントロールできているから本当に幸せだよ」 「私は(ホーナー代表の疑惑に関係する)この報告書もチャットも見ていない。意図的に関わらないようにしていたんだ。私と関連付けるのは、ほとんど計画的な作戦のようなモノと気がついた。(ニキ)ラウダが言ったように、狡猾だった」 誰がマルコに不利になるように働き、問題を起こしたとマルコが感じているのかは不明だが、ホーナー代表はサウジアラビアGPの舞台裏で起こった出来事について、彼とチームは無関係だと主張した。 「停職処分の噂はチームにとっても、他の誰にとっても同じようにニュースだったと思う」とホーナー代表は言う。 「我々はそれを聞いてかなり驚いたよ」 「ヘルムートはレッドブルGmbHの契約社員だから、彼らとの間の問題だった。我々は話し合いに関わっていない」 「ヘルムートと私は1996年からの付き合いで、長年に渡って重要な役割を話してきた。その役割は年々進化してきた。私は彼をとてもとても長い間知っている」 「81歳という年齢になっても、彼は明らかにF1に対するモチベーションを保っている。それはポジティブなことだ」 マルコの停職疑惑に関しては、ドライバーのマックス・フェルスタッペンがマルコを擁護したという点でも興味深く、マルコがレッドブルを離れることになればフェルスタッペンもそれに続いてチームを離脱する可能性さえ示唆した。 フェルスタッペンの存在がレッドブルの決断に影響を与えたのかと訊かれたホーナー代表は次のように答えた。 「ヘルムートの周辺で意思決定プロセスは行なわれていない。噂がどこから広まったのかはよく分からないが、私が関与したことではないよ」 マルコとホーナー代表は常に同じ意見を持っている訳ではないが、対照的なふたりの存在がレッドブルの強さにつながっている。ホーナー代表は、現在は難しい状況であるものの、マルコがチームに留まることについては問題ないと考えている。 「ヘルムートとの関係に問題はない。彼は常に率直だと思うけど、それがヘルムートだ」とホーナー代表は言う。 「どんな役割であれ、誰にでも果たすべき役割がある。このチームは信じられないほどの成功を収めてきたし、長年にわたって絶大な能力を発揮してきたと思う。それが成功のカギのひとつだ」
Jonathan Noble
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