消費者目線の“景気ウオッチャー調査”は悪天候や地政学リスクをどう見る?
このように天候不順の影響が懸念されたにもかかわらず、8月に景況感の悪化が観察されなかったことは、足もとの日本経済の成長軌道が+2.5%という高成長を記録した4-6月期と同等のモメンタムを維持していることを示唆しています。
景気ウォッチャー調査に株価や為替が反応することは稀ですが、この指標は日本経済をリアルタイムに把握する上で指折りの優れた指標であり、実際、国内総生産(GDP)と密接な連動性が認められているほか、株価との連動性も強く、そのトレンド変化が株価に先行することもあります。目下の日本株は北朝鮮絡みの地政学リスクなどから上値が重い状態が続いていますが、この指標の堅調さに鑑みるとダウンサイドリスクは小さいように思えます。 (第一生命経済研究所・主任エコノミスト 藤代宏一) ※本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足ると判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。