狩猟業界をDX化 若手ハンターがさらに活躍する社会を目指す 「Fant(ファント)」高野沙月さん #BOSSTALK
深刻な鳥獣被害 実証実験で浮き上がった農家の期待
――もう一つの大きな プレーヤーは農家さんです。 鳥獣被害を受けている農家さんはサービスを始めた当初、どうでしたか? サービス始めたのは昨年の秋。まだ需要 がどこまであるのか、分かっていなかったので、札幌市さんと共同で実証実験をさせていただきました。1カ月間 の実証実験が終わった後も、(報じる)新聞を見 て、自分も使いたい、自分も使いたかった―みたいな声がうちの会社に結構届きました。 ――農家さんがほしかったサービスだったということですよね そういう ことが分かって本当に良かったなと思います。 ――農家さんは札幌だけではなく、他の地域の方も参加できる形になっていますか? 有害鳥獣駆除は、そのまちの農家さんとハンターさんじゃないとなかなかできないところがあって、自治体さんと協業して自治体さんにサービスを導入していただき、まちのハンターさんと農家さんに使ってもらう取り組みを進めているところ です。
北海道のジビエは東京、京都、名古屋など本州の都市部で人気上昇中
――レストランさん、農家さん、そしてハンターさんの3つを Fantというサービスがつなげている実感はありますか? はい、あり ます。やはり飲食店さんの需要もどんどん増えてきています。札幌 の飲食店さんによく使っていただいていますが、最近は東京など首都県を中心に京都、名古屋などの需要がはかなり伸びてきています。特に本州の都市部で人気になっています。 ――お仕事されて、一番うれしかった こと、喜んだことは? Fantをご利用いただいている飲食店さんに行って食事をすることがあります。その中で、お客さんがジビエを食べて「おいしい 」とか「ジビエってこんなに おいしいんだ」と感想を言っているのを見るとすごくうれしく、やりがいを感じます。
幅広く多くの人を巻き込み、若いハンターが活躍でき、狩猟を楽しめる社会に
――会社を経営する中で、ボスとしてどういうことを大切にしていますか? 狩猟業界をDX(デジタルトランスフォーメーション)化して、今、増えている若いハンターさんたちがもっと活躍し、狩猟をもっと楽しめる社会を実現したい―というのがFantの理念です。その理念を、一緒に働くスタッフにも共有してもらい、同じ目的に向かって一緒に歩んでいくことをボスとして大切にしています。 ――どういう ことを未来に描いていますか? ハンターに求められる役割はこれから どんどん増えていくと思います。毎日のようにクマなどの鳥獣被害がニュースになるように、ハンターはいなくてはならない存在で、これからもどんどん若い人たちがそういったニュースを見て参加する人が増えていくのではと思っています。彼らをサポートして、現場で活躍できるようにしてあげるのがFantの役割だと 思っています。そのためにも、 飲食店さんや自治体 さんなど、いろいろな人を幅広く巻き込んでいくのが、これからのFantのやるべきことだと考えています。
UHB 北海道文化放送