狩猟業界をDX化 若手ハンターがさらに活躍する社会を目指す 「Fant(ファント)」高野沙月さん #BOSSTALK
デジタルの力で、若いハンターが活躍できる環境を整えたいと起業
――そこから 会社を起こされるのは、どういったきっかけやタイミングがありましたか? 上士幌町に移住して、狩猟を始めて、 自分みたいな若いハンターが周りにたくさんいると実感しました。狩猟業界って古くから続く業界なので、どうしても伝統的になり、今の若い人たちにはちょっと難しく、合わない場合もあると感じていました。そこで若い人たちがもっと楽しみ、活躍できる環境を作りたいと会社を 立ち上げました。若い人たちが狩猟を始めるとなると、師匠的な人、先生みたいなハンターと知り合って仲良く なってやっと教えてもらえます。そのハードルがすごく 高いというお話を聞いていたんです。そこをデジタルの力で解決できないかなというアイデアがありました。 ―― 東京にいたら分から なかったことですよね。十勝に戻ってきたからこそ、上士幌に住んでみたからこそ分かったことなのではないですか。 自分の体験で気づきました。
ハンターを必要とするのは鳥獣を駆除したい農家と、ジビエがほしい飲食店
――会社はどんなサービスから始めましたか? 当初はFantという プラットフォームで、全国のハンターたちが登録し、 情報交換をするSNSのようなものを運営していました。 たくさんのハンターさんに登録していただき、人の情報を見たいというハンターさんはたくさんいましたが、発信する人が少なくて、なかなか需要と供給がマッチしませんでした。 ハンターの活動の需要はどんなところにあるのだろうと考え、思い当たったのがジビエを買いたい人、鳥獣被害で困って駆除してほしい人でした。 ――実際始めて、どうでしたか? ジビエはかなり需要 あることが分かりました。シカやイノシシはネットでも結構買えます。供給は割とありますが、それ以外のニッチなジビエ、例えば、カモや野ウサギなどのジビエはシェフの方々には需要があるものの、供給側、つまりハンターに情報が届いてないことが分かりました。 ――ハンターがジビエを取ったとき、買いたい レストラン側とFantでマッチングする 感じですか? どちらかというと、ほしい側からのオーダーですね。飲食店さんから「今、こんなのをほしい です。だれか取って来てくれませんか」というオーダーを出します。それをFantに登録しているハンターさんに発信して、「これをやる人は誰かいますか」と募集をかけます。 「自分がやります」という人 とマッチングし、ハンターさんは取りに行く形になります。