“冬の登山用品”から着想? ワークマンの「お部屋用ブーツ」が売り切れ続出、開発の経緯を担当者に聞いた
ワークマンが2020年の冬から販売している「HEYA ルームブーツ」(1280円)が好調だ。初年度に約3万点を販売したところ想定以上の反響があったといい、2021年には5万点強、2022年には約12万点、2023年には約13万点と年々増産を続けている。支持される背景を開発担当者に聞いた。 【画像】“登山用品”から着想? 男女各3色を展開、ワークマンの「お部屋用ブーツ」はこちらから(計9枚)
「テントシューズ」から着想
HEYA ルームブーツはその名の通り、ワークマンが展開しているブーツ型の室内履きだ。中綿が詰まったダウンのような厚みが特徴となっている。 企画のヒントとなったのが、アウトドア用品の「テントシューズ」だ。テントシューズとは、冬の登山やキャンプにおいて、テント内で着用する防寒用の靴。「テントシューズのアウトドアショップでの相場は1万~2万円ですが、『これを980円で提供したい』というところから企画をスタートしました」と開発担当者は話す。 開発に当たっては、キャンプでも使用できる一方、室内履きとしても使える「二度おいしい」商品を目指すことに。アウトドア好きにとどまらず、よりボリュームのある一般層に広く訴求できるように、名称には「HEYA(=部屋)」というシリーズ名を冠したという。 開発に当たっては、保温性と軽量性、そして「洗濯機で丸洗いできる」手軽さにこだわった。中綿を「シート状の綿」と「ふわふわの綿」との二層構造とすることで、洗濯機に入れても綿が偏りにくく、乾かしたときに元通りに履けるように工夫したという。 また、これまで販売してきた防寒着の技術も生かしている。2022年からラインアップに加わった「HEYA ルームシューズ」(1280円)は、ルームブーツよりも丈を短めにした商品。ルームブーツのように、足首までは温かさを確保できないが、その代わりに同社がワーキングウェアに用いている素材「ブラックアルミ」をアッパーの内側に使用した。ブラックアルミは、ワーキングウェアに用いる素材「裏アルミ(アルミをコーティングプリントした素材)」の1つで、とりわけ保温性の高いものだという。