このままではマズイ…。チェルシー、冬の放出候補6人。好調なチームで置き去り…。出番がない男たち
直近の2シーズンはチェルシーにとって困難を極めるものだったが、今夏にエンツォ・マレスカが新監督に就任すると、再び強豪の一角として上位争いを演じている。多くの選手が新体制の戦力となれた一方で、アピールに失敗した選手もいる。今回は、来年1月にも出番を求めてチェルシーを去る可能性がある選手をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照 【一覧】プレミアリーグ 2024/25夏の移籍情報 全20クラブ
DF:ベン・チルウェル(イングランド代表)
生年月日:1996年12月21日 24/25リーグ戦成績:0試合0得点0アシスト チェルシーの副キャプテンが屈辱的な扱いを受けている。在籍5年目を迎えたベン・チルウェルは、プレミアリーグ第9節終了時点でリーグ戦では一度もメンバー入りを果たしておらず、UEFAカンファレンスリーグの登録メンバーからも外れている。 エンツォ・マレスカ監督の中での序列が低いのは明確で、左サイドバック(SB)の選手に偽SBのタスクを与える機会が多いことが最大の理由だろう。オーソドックスなSBのチルウェルは、左サイドをアップダウンしてこそ持ち味を発揮するタイプで、中盤の一角でビルドアップに参加することで彼の良さが活きる可能性は低い。 戦術的な側面から序列が下がったうえに、怪我が多いのもネックで、昨季はシーズンの大半をハムストリングと膝の怪我で離脱をしていた。夏の移籍市場の時点で明らかな構想外だったのにも関わらず買い手がつかなかったのは、稼働率の悪さに加えて、週給19万ポンド(約3610万円)とも言われる高額な給与の影響が大きいだろう。 この額に近い給与を支払うことができるのはビッグクラブしかない。買い手も限られている中で今季前半戦は、リザーブチームを含めてアピールの場が与えられておらず、完全な構想外においても放出は困難を極めるだろう。
FW:ミハイロ・ムドリク(ウクライナ代表)
生年月日:2001年1月5日 24/25リーグ戦成績:5試合0得点0アシスト ミハイロ・ムドリクはチェルシーの背番号10に相応しい活躍をすることができていない。出場機会も限定的となっている中で、彼が放出候補の一人になるのは自然な流れだろう。 プレミアリーグ第9節終了時点で5位につける好調なチームとは対照的に、ウクライナ代表FWは序列を下げており、負傷離脱がないのにも関わらずリーグ戦では5試合にしか出場できていない。 第2節ウォルバーハンプトン戦が唯一の先発出場で、不甲斐ないパフォーマンスに終わったことから、この試合も前半のみでベンチへと退いていた。 こうした序列ダウンは、左ウイング(WG)でプレーできる選手が多いことが影響しているだろう。今夏だけでチェルシーはペドロ・ネト、ジョアン・フェリックス、ジェイドン・サンチョの3人を獲得しており、彼らは全員ムドリクと同じポジションでプレーできる選手たちだ。この3人は左WG以外でもプレーできる万能性を備えているが、ムドリクは左WGのスペシャリストであり、起用できるポジションが少ないことも出場機会が減っている要因の一つだと考えられる。 それでもエンツォ・マレスカ監督はUEFAカンファレンスリーグ(ECL)と国内カップ戦ではムドリクを左WGで先発起用しており、特にECLではその期待に応えるような得点に絡む活躍をみせている。 ただ、7000万ユーロ(約112億円)という高額な移籍金で獲得した選手がカップ戦要員となっている現状は上手く行っているとは言い難く、現状の戦力バランスを考えても仮に彼が移籍をしたとしてマイナスはほとんどないだろう。