J名門クラブの“10番”志願「恩を返さないと」 複数オファーも決断、完全移籍で己に課す責任
「頑張るのが一番嫌いで、責任とか重いものがあったら頑張れるタイプ」
「代理人と背番号の話になった時、友哉くんもいなくなったので『10番をつけたい』という話をしていたら、ヴェルディも用意してくれると言ってくれた。責任が伴う番号なんで。20のままでも良かったですけど、自分にプレッシャーをかけるためにも。自分は結構、すぐ緩んじゃう。頑張るのが一番嫌いで、責任とか重いものがあったら頑張れるタイプ(笑)。何番でもいいんですけど、サッカーでいえばチームを象徴する番号ですし、恥ずかしいプレーは絶対にできない。チームを勝たせる仕事をしないとダメですし、今年は去年以上にチームを引っ張る思いを持ってやれればと思います」 昨季、チーム最多得点を挙げた得点力だけではなく、献身的なプレッシングでもチームに貢献してきた木村だったが、意外にも本来は頑張れないタイプ。あえて自分に責任を課すことで、頑張らなければいけない環境を作り出したのだ。 高校、大学と過去に10番を付けたシーズンを振り返り「1年を通してみれば、あまり悪かったことはない。いや、あったかな……」と笑った木村。過去を紐解くと高校時代は、現在もチームメイトであるFW山田剛綺とともにプリンスリーグ関西で10得点を挙げて得点王に輝いた。大学時代は3年時から10番を背負い、1年目に関西1部リーグで6年ぶりに優勝、4年時には世代別日本代表への招集やインカレ準決勝進出を果たしている。 今年は対戦相手からのマークも厳しくなることが予想される中で木村は自分自身にプレッシャーをかけて追い込みながら、10番を背負うシーズンに新たな良い記憶と記録を刻みこむ。
河合 拓 / Taku Kawai