カルロス・サインツJr.

　フェラーリのカルロス・サインツJr.が、来季ウイリアムズからF1に参戦することが決定した。チームは2026年の新レギュレーションに向けた契約だとチームは説明しており、契約期間は2年で延長オプションも存在するという。 【ギャラリー】F1史上最も醜い、2014年のF1マシン全車 　ルイス・ハミルトンが今季限りでメルセデスを去り、来季からフェラーリへ移籍することでチーム放出が決まっていたサインツJr.。その次なる移籍先はシーズン前半、注目の的だった。 　アウディワークス化を控えるザウバー、そしてウイリアムズなどが、サインツJr.獲得を長い間狙っていたが、先月のスペインGP前後でアルピーヌもオファーを提示。3チームがドライバーを取り合うという混戦だった。 　しかしサマーブレイク前最後の1戦、ベルギーGPではウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表がサインツJr.獲得を確信していると示唆。週末を終えた7月29日（月）にチームはサインツJr.獲得を発表した。 　サインツJr.は来季、アレクサンダー・アルボンとコンビを組むこととなる。現在ウイリアムズからF1に参戦するローガン・サージェントは、今季限りでチームを離れることが決定した。 「2025年からウイリアムズ・レーシングに移籍することを発表できてとても嬉しい」とサインツJr.は語った。 「今年のドライバー市場は様々な理由から非常に複雑で、決断を発表するまでに時間がかかってしまったのは周知の事実だ」 「しかし僕にとって、ウイリアムズはF1での旅を続けるに相応しい場所だと確信している。幼少期のヒーローたちが過去に走り、このスポーツに功績を残した歴史ある名門チームの一員になれることを非常に誇りに思う」 「ウイリアムズを本来あるべき場所、つまりグリッドの先頭に戻すという究極の目標は、僕がワクワクとポジティブさをもって受け入れられる挑戦だ」 「このチームには、再び歴史を創ることができる要素全てが揃っていると確信している。1月1日からは、チームメンバーのひとりひとりと共にウイリアムズを前進させるために全力を尽くすつもりだ」 「ジェームス・ボウルズとウイリアムズの取締役会の信頼と決断に感謝したい。彼らの確かなリーダーシップと信念は、僕の意思決定において重要な役割を果たした」 「僕は、成功するチームの核心には、そのチームの人材と文化があると信じている。ウイリアムズは伝統とピュアなレースの代名詞で、僕らが取り組むプロジェクトの基盤は本当に強固だ。来年からその一員になれることを本当に楽しみにしている」 　ウイリアムズのチーム代表であるジェームス・ボウルズは次のように語り、サインツJr.を歓迎した。 「カルロスがウイリアムズに加わることは、双方の強い意思表明だ。カルロスはレースで勝利した経験を持ち、グリッド上で最も才能のあるドライバーのひとりであることを何度も証明してきた。このことは、我々が上向きの軌道に乗っていることを強調している」 「カルロスは、経験とパフォーマンスだけでなく、チームとマシンから、ほんの少しのタイムでも無駄にしないという激しい意欲をもたらしてくれる。完璧なフィット感だ」 「アレックスとカルロスというコンビは、グリッド上で最も手強いドライバーラインアップのひとつであり、2026年からの新レギュレーション下で、我々を導いていくことができる豊富な経験を持っている」 「この組織の使命に対する彼らの信念は、舞台裏で行なわれている仕事の規模の大きさを示している」 「我々が競争力を取り戻す旅路を続けていく中、我々の野心と勢いについて、疑う余地はない。我々はここにいる。我々は真剣であり、ドリルトン（ウイリアムズのオーナー）の支援を得て、グリッドの一番前に戻るために必要なことに投資を行なっている」 「ローガンがチームのためにしてくれた、全てのことに感謝したい。彼は今後のレースでも、我々のために懸命に戦い続けてくれることは分かっている」 　サインツJr.が来季の移籍先を発表したことで、ザウバーをはじめこれまで空席となっていた来季シートに関する動きも加速するだろう。