Xマスマーケット、4000円のイチゴカップに行列-TikTokで人気広がる
(ブルームバーグ): ニューヨークのブライアントパークの気温はカ氏22度(セ氏マイナス5.6度)で、凍雨、危険なほど滑りやすい歩道、顔がしびれるほどの風という真冬の組み合わせが猛威を振るっている。 このような天候の中で、合理的な人が列に並ぶ理由などあるのだろうか。
「イチゴが目当てで来た」と、ニュージャージー州から彼氏のジョシュア・マルティネスさんと一緒にブライアントパークのクリスマスマーケットにやって来たアニー・ディアスさんは言う。 列に並んで震えている人々は「ストロベロ(Strawberro)」のブースで超話題のデザートを試すために待っている。それは、ベルギーチョコレートとピスタチオクリームをかけたイチゴに砕いたピスタチオを振りかけたデザートだ。
エラ・カハンさんは動画共有アプリ「TikTok」でこのマーケットの食べ物を紹介した。その投稿「チョコレートがけイチゴは今まさに旬」は、400万人以上が視聴した。ディアスさんとマルティネスさんは、列に並んでから購入するまで約1時間かかると見積もっている。
現代のクリスマスマーケット経済は、何世紀も続く伝統と資本主義、ソーシャルメディアが融合してできている。 冬のこのお祭りは1300年代から存在しており、地元の人々が1年で最も寒く暗い時期に集まり、手を温め、気分を高める場を提供していた。 現代のマーケットは、入念に計画された巨大なビジネスであり、数百万ドルの収益を生み出し、世界中から観光客を引き付けている。
英ボーンマス大学のディミトリオス・ブハリス教授(観光、テクノロジー、マーケティング)は「クリスマスマーケットは、はるかに洗練されてきた」と話す。エディンバラ、シカゴ、ニューヨーク、ストックホルム、ウィーン、フランスのストラスブールで開催されるマーケットには、毎年多くの人が訪れ、その中には自慢できるような休暇体験を求めて海外からやって来る人も多いと指摘した。