「アイソン彗星」どんな姿で現れる? 太陽に29日最接近
どのような姿で現れる?
彗星の明るさや尾の長さなど、どのような姿形になるかも、実際に太陽に近づいて来ないと分からない。アイソン彗星も、発見当初は木星軌道付近という太陽からの距離と、19等級という見かけの明るさの関係から、近日点通過の前後には“金星や満月の明るさになるのでは”とも予想されたが、それほどではないようだ。しかし今月入ってから明るさは増して、16日には5等級ほどとなり、さらに1晩ごとに1等級のペースで急増光しているとの各地の観測情報もある。輝きの色合いも「青っぽい緑色」をしていることが分かってきた。
最接近時は見られない?
見え方について、国立天文台によると、アイソン彗星は今月17~19日には「おとめ座」の1等星スピカを目印に双眼鏡で観察すれば、同一視野に捉えることができる。その後、増光しながら「おとめ座」から「てんびん座」方向へと移り、24日前後には東の低空にある水星、土星に近づく。このころの明るさはマイナス等級に達すると予想されるが、太陽に近づくにつれて高度も低くなるので観察はかなり難しくなり、29日の近日点通過の前後は地上からはほとんど不可能だ。しかし、12月4日ごろ以降に、アイソン彗星が無事に残っていれば再び、日の出前の東の空に姿を現すはずだ。 その後、アイソン彗星は太陽から去って行くに従い、地上から見た高度も日に日に高くなり、尾の長さも近日点通過前よりも伸びて、見やすくなる。12月下旬には、日の出前の東の空だけでなく、日の入り後の西の空でも観察できるようになる。27日ごろには地球に最も近づき、約6400万キロメートル離れた所を通過するが、太陽最接近のころほど明るくはないようだ。
若田さんも観測撮影
アイソン彗星については、日本人初の船長として国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士の若田光一さんが、ハイビジョンの4倍の画素数をもつ超高感度4Kカメラで宇宙から撮影する。このカメラは宇宙航空研究開発機構(JAXA)とNHKが彗星観測用に特別に共同開発したもので、映像は12月の「NHKスペシャル」などの番組で紹介する予定だ 。 (文責:企画NONO) (動画制作:TOMOニュース)