再審無罪、赤堀政夫さん死去 島田事件の元死刑囚
静岡県島田市で1954年、女児が殺害された「島田事件」でいったんは死刑が確定しながら、無実を訴え再審で無罪を勝ち取った赤堀政夫さんが22日午後、名古屋市の介護施設で死去した。関係者が明らかにした。94歳。後日、お別れの会を開く予定。逮捕から自由の身となるまで34年8カ月が経過した。 54年3月、島田市で6歳の女児が男に連れ去られ、3日後に遺体で見つかった。赤堀さんは約2カ月後に別件逮捕され、殺害を自白したとして殺人などの罪で起訴されたが、初公判から一貫して犯行を否認した。 静岡地裁は58年5月に死刑を言い渡し、最高裁で確定した。赤堀さんは兄や地元関係者の支援で4次にわたって再審を請求。地裁は86年に再審開始を決定し、89年1月に「自白の信用性は乏しい」として再審無罪を言い渡した。死刑囚では免田、財田川、松山の各事件に続き4人目。 島田事件弁護団の一員、河村正史弁護士は「長生きして天寿を全うしてくれた。他の冤罪事件のために活動され力になっていたと思う。天国で弁護団員と会っていてほしい」と話した。