【日本ダービー】「弥生賞上がり最速馬」は単回収率165% データで導く穴馬候補3頭
「弥生賞上がり最速馬」も侮るな シンエンペラー
続いて2頭目にシンエンペラー。藤田晋オーナーと矢作芳人厩舎のタッグが手掛ける外国産馬だ。 前章とちょうど同じような話だが、ダービーでは「弥生賞で上がり最速だった馬」も好成績。2003年以降で【4-0-3-7】複勝率50.0%、単回収率165%、複回収率131%だ。中山でいい末脚を見せた馬が、直線の長い東京に替わって武器を生かしやすくなる。当たり前のようだが、このレースを占う上で忘れてはならない大前提だ。 上記のうち、弥生賞で4番人気以内だった馬に限ると【4-0-3-4】複勝率63.6%、複回収率167%とさらに確率アップ。過半数が馬券に絡んだこのデータにシンエンペラーが該当する。 ホープフルSは直線で一時抜け出すも、ソラを使って差され2着。能力自体は世代トップクラスのものがある。皐月賞は完敗の5着に見えるが、当時なかなか陣営のトーンが上がっておらず、状態面がもうひとつだったか。春3戦目の良化次第では圏内に顔を出してくる。
東京芝2400mで高回収率のキズナ産駒 ショウナンラプンタ
最後は血統のデータからショウナンラプンタを取り上げる。青葉賞ではタイム差なしの2着だった。 東京芝2400mの種牡馬別成績を調べると、とにかくキズナ産駒の高回収率が目を引く。通算成績は【2-9-9-41】で1着こそ少ないが、複勝率32.8%、複回収率151%と大幅な黒字を生んでいる。 特に3歳戦で【2-7-7-28】複勝率36.4%、複回収率198%と強く、さらに絞って「前走も2400mだった馬」は【1-3-3-2】複勝率77.8%、複回収率340%。母数が少ないとはいえ、8割近く馬券に絡んでいるのは素晴らしい。 今年は皐月賞馬のジャスティンミラノも含めキズナ産駒の出走が多い。よってほかの選択肢もあるのだが、ここでは「前走も2400m」を満たすショウナンラプンタをピックアップした。 ショウナンラプンタが新馬勝ちを収めた際のレース後半1000m58.5秒は非常に優秀な数字。どのくらい優秀かというと、阪神芝2000mの2歳新馬戦としてはディープインパクトが勝った一戦に次ぐ歴代2位の記録だった。こちらも上位争いに加わるだけのポテンシャルは持っている。コースを経験した強みで皐月賞組との差をどこまで埋められるかが焦点だ。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ