「韓国の来年の成長率1%台」主要投資銀行8社中5社が警告(2)
JPモルガン首席エコノミストのパク・ソクキル氏は「米国と中国の間の貿易緊張の高まりが予告された状況で、特に中国の成長率にマイナス要因が多いとみられ、韓国もこれに影響を大きく受けるものと予想する」と説明した。SG証券のオ・ソクテ氏も「トランプ発の下方リスクが現実化するならば見通しはさらに低くなることもあり得る」と説明した。 韓国も米国の関税政策による圧迫を受けるだろうという予測も出ている。ゴールドマン・サックスのアジア・太平洋地域エコノミストのアンドリュー・ティルトン氏は最近、CNBC放送で「韓国と台湾は半導体分野で米国に対して大きな利益を得た。今後米国と貿易するアジア諸国はこうした黒字規模を減らし、米国からの輸入をできる限り増やすなどの手段を講じるだろう」と分析した。 ◇「景気浮揚・潜在成長率向上する余力はあるか」 対外環境も厳しいが、韓国が来年積極的な景気浮揚策を展開して潜在成長率を引き上げることができる政治的・経済的余裕があるのかという点にも海外ではクエスチョンマークを投げかけている。匿名を求めたある海外投資銀行のエコノミストは、「韓国政府は『健全財政』を強調してきたが、財政収入は正常化できなかった。健全財政が一種の宣言にとどまっており、今後積極的な財政政策を展開することもできないジレンマの状況に陥っている」と指摘した。 成長率が鈍化するという見通しが相次いで出ているが、韓国政府は大統領室でふくらんだ追加補正予算編成論には線を引いた状態だ。ただ現在のように内需不振が続くならば来年初めには追加補正予算編成論に再び火が付く可能性がある。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「政府が景気浮揚策を取るという発表が出てくれば見通しを修正するだろうが、最近の輸出動向を見ると既存見通しの2.2%から下方修正しなければならなさそうだ」と話した。 1981年以降で韓国の成長率が年2%未満を記録したのは、通貨危機当時の1998年のマイナス5.1%、世界的な金融危機があった2009年の0.8%、新型コロナウイルスが流行した2020年のマイナス0.7%、昨年の1.4%の4回しかなかった。韓国の潜在成長率は2%と推定される。一国の経済基礎体力と考えることができる潜在成長率を下回っている点から1%台の成長は異例な現象と受け止められている。 これに先立ち、国際通貨基金(IMF)も来年の韓国の経済成長見通しをこれまでの2.2%から2.0%に下方修正した。アナンド韓国ミッション団長は「経済見通しをめぐる不確実性が高い状況であり、リスクは下方リスクがさらに高い方だ」と話した。対外環境変化により成長率が1%台に鈍化する可能性も排除しなかったという解釈が出ている。国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)も最近来年の成長見通しを2.1%から2.0%に引き下げた。 こうした中、28日に来年の経済見通しを修正発表する韓国銀行もまた、来年の1%台成長率を提示するだろうという予想も出ている。シティバンクは韓国銀行が来年の成長見通しをこれまでの2.1%から1.8~2.0%水準に引き下げるだろうとみている。