トランプ次期政権が自動運転規制緩和を検討:マスク氏のEV大手テスラに有利か
トランプ政権はEV購入への税控除を廃止か
ところでトランプ氏は、バイデン政権が導入したEV購入に対する7,500ドル(約116万円)相当の税控除を廃止する可能性があると報道されている。カリフォルニア大学バークレー校のジョゼフ・シャピロ氏は、税控除廃止により今後のEV需要は27%減少する可能性があると指摘する。また同氏とデューク大学のフェリックス・ティンテルノット氏によると、税控除が維持された場合に比べ米国のEVの年間登録台数は31万7,000台減少する可能性があるという。 脱炭素政策の観点からバイデン政権が進めていたEV支援に否定的なトランプ氏をEV大手テスラのCEOであるマスク氏が強く支援したことに意外感を持った向きも多かったと考えられる。しかし、マスク氏がビジネス展開の重点をEVから自動運転にシフトさせているのであれば、それも合点がいくだろう。 (参考資料) 「米国のEV需要、税額控除廃止で27%減の見通し-エコノミスト」、2024年11月20日、ブルームバーグ 「<トランプ政権>トランプ氏、テスラに有利な規制緩和検討か 米報道 株価は急上昇」、2024年11月19日、毎日新聞速報ニュース 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。