J3開幕 上位リーグに近いクラブはどこ?
とはいえ、各クラブともに、スタジアムへの集客は簡単ではないでしょう。日程的に、J2の試合が行われる日曜日に、J3も試合が組まれています。J3を見に行くよりもJ2を見に行く人のほうが多いでしょうし、そこでパイを奪われることになります。いかに地域貢献などで、自治体とうまく結びついて集客できるかが課題になってくるでしょう。 一方で、都市部ならではの利点もあります。Y.S.C.C.横浜は収容人数で1.5万人を超えるニッパツをホームにしているなど、ハード面での大きな問題はなさそうです。さらに、都市部には、多くのスポンサー候補がいます。企業にとってメリットのあるクラブになる、例えば、クラブがアジアのクラブとの連携を深めれば、アジア戦略を進める企業にとって価値のあるクラブ、ということになります。そういった形で、大口のスポンサーを獲得することも考えられます。 ■グルージャ盛岡(東北1部1位)、ブラウブリッツ秋田(JFL8位)、福島ユナイテッド(JFL14位) 今回、東北から3つのクラブが参入することになりました。都市部とは対照的に、地方のJ3クラブの課題は集客やスポンサーなどになるでしょう。主となるホームタウン市の人口は30~40万人ほど。そこからいかに、吸引率を上げていくか、が今後求められます。J2の平均観客動員数は5000人程度。JFLは2000人程度です。いかにして、J2レベルまで観客を増やしていけるか。これは自治体などと協力して、盛り上げていかなければなりません。 スポンサーという意味では、J1の甲府が、良いロールモデルになるかと思います。都市部と異なり、大口のスポンサーはあまり期待できないかもしれない。地場企業や新聞社など、多くのスポンサーからの支援を集められれば、経営的にはうまくいくかもしれません。 ■藤枝MYFC(JFL13位) 藤枝はサッカー立国だけあって、おもしろい取り組みをしています。ネットオーナーを募集している。これは、スペインのバルセロナの個人オーナーと同じで、日本初の市民参加型クラブになります。サッカーに関心の高い地域だからこそ、できるのかもしれません。ただ、一長一短でもしかすると、多くの支援を集められるかもしれませんが、オーナーなので、これまでの「サポーター」という立場とは違った存在になっていく可能性はあります。