【資産防衛】今年、おすすめの投資先は?→投資のプロが選んだ「3つの資産」
分散投資の具体策(2)米国リート
[図表6]に示すとおり、【左】米国リートは平常時並みの評価値であるほか、【右】一部のリートは大きな価格上昇をみせています。 【左の図】でみている「NAV倍率」は、リート価格が「純資産金額」の何倍で取引されているかをみる、リート市場のバリュエーション指標です。 純資産金額とは、リートが保有する物件や現預金の評価額から、リートが抱える負債の金額を差し引いたものです。純資産金額は、保有不動産を現金化し、負債を完済したあとに残る金額であり、リートの「解散価値」に相当します。 リート価格の現在の評価値は、「弱気」にも「強気」にも傾いていない平常時並みの評価値で、投資を開始する・積み増すには、問題のないタイミングです。 【右の図】は、米国リートのうち、「データセンター」のリート指数をみています。データセンターは、企業にサーバーなどの情報通信機器を設置するためのスペースを提供するリートです。AI(人工知能)やビッグデータの活用などで需要が高まっています。リートへの投資も、成長分野や成長企業の選別が重要です。
分散投資の具体策(3)米国ハイ・イールド債券
[図表7]に示すとおり、米国ハイ・イールド債券市場は、【左】上乗せ金利が平常時並みに回復しているほか、【右】高い利回りが残る、希少な債券市場です。 【左の図】でみている、「米国ハイ・イールド債券の上乗せ金利」は、米国ハイ・イールド債券の利回りが、国債利回りよりもどれほど高い水準で取引されているかをみる、社債市場のバリュエーション指標です。信用力が改善する(悪化する)と、低い(高い)上乗せ金利で取引されます。 2022年からの利上げで信用力の悪化が懸念され、上乗せ金利は上昇しました。しかし、その後の景気拡大見通しや利上げ終了見通しにより、上乗せ金利は平常時並みに回復しています。 現在は、「弱気」にも「強気」にも傾いていない平常時並みの評価値で、投資を開始する・積み増すには、問題のないタイミングです。 【右の図】に示すとおり、利上げによって(資金調達金利に相当する)短期金利が高まるなか、米国ハイ・イールド債券は、短期金利を上回る希少な市場です。景気拡大が続けば、「利回り追求」の動きが生じる可能性があります。 重見 吉徳 フィデリティ・インスティテュート 首席研究員/マクロストラテジスト
重見 吉徳
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