「女性のほうが痔になりやすい」理由を知っていますか? 主な痔の原因は何?【看護師監修】
女性が痔になりやすいのはなぜ? 痔になるタイミングは?
編集部: 女性が痔になりやすいのは、どのようなタイミングですか? 三木さん: 女性が痔になりやすいのは、女性特有の生理的な変化が起こる時期です。具体的には、妊娠・出産と月経中が痔になりやすいタイミングです。 この時期には、女性ホルモンの分泌が変化し、血液の循環が悪くなります。また、子宮が膨らんで、肛門周辺の静脈に圧力がかかることも、痔の発症や悪化の原因です。 編集部: 妊娠中も痔になりやすいのですね。 三木さん: 妊娠中は、女性ホルモンが多くなって血液がドロドロになり、子宮が大きくなって肛門の血管が圧迫されます。また、赤ちゃんが腸の動きを邪魔するため、便秘になりやすいことも要因です。これらのことが肛門の血管にダメージを与えて、痔になりやすくします。 編集部: 出産時に、女性が痔になりやすいのも同じ理由ですか? 三木さん: 出産時は、赤ちゃんを産むために強くいきみ、赤ちゃんの頭が肛門を引っ張ったり押したりします。これらのことが、肛門の血管にダメージを与えてしまうのです。そのうえ出産後は、便秘になりやすくいため便が固くなって、肛門に傷がつきやすくなります。 編集部: 月経中にも痔になりやすいのは、なぜでしょうか? 三木さん: 月経中は女性ホルモンの分泌が減少して血液の循環が悪くなり、子宮も膨らんで肛門周辺の静脈に圧迫をかけます。これらのことが、痔になりやすい原因です。月経中は、便秘にもなりやすいため、注意しましょう。 編集部: 女性のライフステージに応じて、痔になりやすいタイミングがあるということですね。 三木さん: はい、そうです。女性は、年齢や体調によって痔になりやすくなることがあります。そのため、自分の状況に合わせて、痔の予防や対策を行うことが大切です。
痔にならないために気をつけたいことは?
編集部: 痔にならないために、日常生活で気をつけることはありますか? 三木さん: 痔にならないためには、「便秘を解消すること」「肛門を清潔に保つこと」「肛門に負担をかけないこと」の3つが大切です。 編集部: 便秘を改善するには、どんなことに注意すればいいでしょうか? 三木さん: 便秘を改善するためには、食物繊維や水分を十分に摂ることです。また適度な運動をすること、トイレの時間を決めて排便のリズムを整えることなどが効果的です。過度なダイエットは避けましょう。 編集部: 肛門を清潔に保つためには、どんな方法がありますか? 三木さん: 肛門は細菌や汚れがたまりやすい部分です。そのため肛門を清潔に保つには、トイレットペーパーではなく、水で洗うことがおすすめです。入浴も肛門周囲の血流を良くし、清潔を保つのに効果があります。 編集部: 肛門に負担をかけないことも、痔の予防に重要ですか? 三木さん: はい。肛門に負担をかけると痔ができやすくなるため注意してください。肛門に負担をかけないためには、長時間の座位や立位を避けましょう。排便時に力みすぎないことや、下剤の乱用をしないことも重要です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 三木さん: 痔は、女性にとって深刻な悩みのひとつです。しかし、痔は治療すれば改善する可能性も高くなります。痔の症状に気づいたら、恥ずかしがらずに、早めに医師に相談しましょう。女性は、自分の体やライフスタイルに合わせて、痔の対策を行うことが大切です。