「女性のほうが痔になりやすい」理由を知っていますか? 主な痔の原因は何?【看護師監修】
肛門付近のトラブルのひとつである痔は、男性より女性のほうがなりやすいことをご存知でしょうか? 痔になると、痛みや出血、かゆみなどの不快な症状に悩まされるだけでなく、肛門の見た目にコンプレックスを感じる方もいらっしゃいます。 また、女性の場合、恥ずかしくてなかなか病院に行けない……ということもあるかもしれませんが、放っておくと悪化する可能性がありますので、早めの受診が大切です。そこで、なぜ女性の方が痔になりやすいのか、看護師の三木さんに解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
女性の主な痔の原因は?
編集部: 女性のほうが痔になりやすい理由は何ですか? 三木さん: 女性は、妊娠や出産、月経、更年期などの女性特有の生理的な変化によって、痔になりやすいと言われています。ほかには、便秘も痔の原因のひとつです。女性はホルモンの影響などで男性に比べて便秘になりやすいため、注意が必要です。 編集部: 便秘も痔の原因になるのですか? 三木さん: はい。便秘になると排便時に力んでしまい、肛門周辺の血管に圧力がかかります。これが繰り返されることで、血管が炎症を起こし、膨らんでできるのが痔です。 また、硬い便によって肛門が裂けた場合、出血や痛みの症状が起こります。これは切れ痔と言って、20代女性で便秘に悩んでいる方に多い疾患です。 編集部: 便秘だけではなく妊娠や出産でも、切れ痔になるのですか? 三木さん: 妊娠や出産では切れ痔だけでなく、いぼ痔に悩まされる方も多くなります。いぼ痔は30~40代女性に多く、妊娠・出産で悪化します。また、ずっと同じ姿勢でいることの多い仕事が、いぼ痔の主な原因です。いぼ痔は出来る場所で、内痔核と外痔核に分けられます。 編集部: 内痔核と外痔核の違いは何ですか? 三木さん: 「内痔核」は、肛門の内側にある静脈が拡張することで起こり、自覚症状がないことがほとんどです。しかし、進行すると肛門からの出血や、外に飛び出る(脱肛)ことがあります。 「外痔核」は、肛門の外側にある静脈が拡張することで起こり、強い痛みやかゆみを伴います。痔は、放っておくと悪化する可能性がありますので、早めに治療を受けることが大切です。