空飛ぶ救急車「メッシュ」活動10年 準救急患者など搬送 支援の募金呼びかけ「離島の医療格差の改善を」
NPO法人メッシュ・サポートが17日、公的搬送で対応できない準救急患者などを小型機で搬送して10年になるのを機に、那覇空港で報道関係者に活動を報告し、支援の募金を呼びかけた。イオン琉球が集めた寄付金の贈呈式もあった。 「かりゆし58」の前川さん、沖縄盲学校でサプライズコンサート
同法人は、離島やへき地の医療格差の改善を目指している。2007年から医療用ヘリの運用を始め、翌08年にNPO法人となった。 小型機での搬送は15年10月から始めた。奄美大島から与那国島まで琉球諸島の全域が対象。専門的治療のため離島の病院から沖縄本島への転院が必要だが、点滴や人工呼吸器の使用により民間機での移動が難しい場合の準救急搬送や、術後に住んでいた島に戻る帰島搬送を担ってきた。 22年に伊江島空港で小型機の墜落事故があり、1年半の休止期間もあった。それでも10年間に準救急搬送47件、帰島搬送65件の実績を積み上げてきた。塚本裕樹理事長は「空飛ぶ救急車の役割を果たしてきた。地元で術後の治療を受けることで精神的にも経済的にも負担が軽くなり、喜んでもらえた」と語った。 利用は無料。小型機の運用に年間3千万円必要だが、ほぼ全額を寄付に頼る。行政の支援は、鹿児島県与論町がふるさと納税で寄付の窓口を設けているだけだ。
イオン琉球は09年から店頭募金を届けており、この日は23年度の約87万円を贈呈。16年間の累計額は6千万円を超えた。同社の銘苅尚一郎取締役は「メッシュの活動をお客さまと共に支援していきたい」とあいさつした。
The Ryukyu Shimpo Co., Ltd