大谷翔平の打撃スタイルに異変が…?ドジャースで急降下した「指標」とは?
空振り率やK%の低下を反映している可能性のある指標が、打球の種別である。2024年は、ライナーの割合が前年比+12.1ポイントの34.8%とMLB入り後最高を記録した。 ゴロの割合も同じく34.8%だが、前年比△7.8ポイントで推移しMLB入り後最低となった。フライ(ポップフライを除く)の割合も前年比△3.3ポイントの27.0%で、2021年以降では最低となっている。 空振り率やK%の低下、さらにこれらに起因する三振の減少の背景を考えると、大谷選手が投手の攻めに対応してスイング軌道自体を変えて今季に臨んでいる可能性が考えられる。 特に2021年はホームラン狙いで下から上にすくい上げるアッパースイングが中心だった結果、外角高めのファストボールや外角低めのチェンジアップの空振り率が高くなり、三振が増加した。 2024年はこの攻めに対応すべくスイング軌道を修正した結果、外角の高低で空振りしにくくなって三振が減るとともに、ライナーの割合が高まったことが考えられる。簡単に言うと、確実に強い打球を打つための修正が行われた可能性が高い。
打率向上で日本人初の3冠王も現実に…?
三振の減少に合わせ上昇している指標が打率だ。2021~2024年の大谷選手の打率は.257→.273→.304→. 364と推移し、3年間で1割以上の上昇を示している。 大谷選手の三振の減少が示すものは何か。1つの型の打撃で終わりではなく、投手の攻めの変化に対応するために常に打撃の改良を続け、いまだに打撃が成長している証なのかもしれない。 さらに、チームに実力のある打者が揃い勝利が要求されるロサンゼルス・ドジャースに移籍した今季は、チームバッティングの意識が高まっていることも影響しているだろう。 5月5日のアトランタ・ブレーブス戦での4打数4安打2ホームランの結果は、現時点における大谷選手の打撃の進化の集大成といえるかもしれない。 一方、4月30日にアリゾナ・ダイヤモンドバックス投手陣が3三振を奪ったように、投手も大谷選手への対策をさらに研究してくるはずだ。今後大谷選手がどう対応していくかも見ものである。
ベースボールチャンネル編集部