F1メカ解説|2026年からの新レギュレーションF1マシン、デザインの自由度が増した? FIAが発表した新たなレンダリングを検証
先日FIAが公開した、2026年からの新レギュレーション下のF1マシンの改訂版レンダリング画像を見ると、各チームにデザインの自由度をさらに持たせるべく、様々な調整が施されたことが確認できる。 【ギャラリー】アブダビ・ポストシーズンテスト/角田裕毅はレッドブルRB20をドライブ! 2026年からレギュレーションが大きく変わるF1。その主たる部分はパワーユニットであるが、車両の空力面でも大変貌を遂げる。 各チームは2025年の1月から、2026年用マシンの開発に着手することができるが、それを前にFIAが、新レギュレーションの調整を発表。それに応じたレンダリング画像も公開された。 マシンの空力特性については、新レギュレーションにおいて目標とされている様々な要件を満たすためにどう活用できるかということについて議論が続いている。そんな中、FIAは各チームと協力し、デザイナーにもう少し開発の自由度を与えてパフォーマンスを高め、各チームの車両が似たようなデザインになることを避けようとしている。 当然、車両の全体的な形状やスキームは非常に似たモノとなるはずだ。しかし公開されたレンダリングでは、レギュレーションで達成可能なことの大まかな概要しか示されていない。そのためチームは、レギュレーションの内容を熟慮し、積極的なアプローチをしてくるのではないかということが期待されている。 以前発表されたレンダリングと、最近発表されたレンダリングには、パッと見ただけでも複数の違いが存在するのがわかる。その中でも最も目立つ変更箇所のひとつが、フロントウイングの外側部分の変更であろう。 以前のレンダリングでは、翼端板下部から外に突き出したフットプレートから、上方に向けて垂直のフィンが伸びている(写真内◯の内部)。しかし最新版では垂直のフィンがなくなり、代わりに翼端板上部にダイブプレーンが追加されている。しかもこのダイブプレーンは、翼端板との接続部はかなり短いものの、外に向けて広がるような複雑な形状になっている。 この翼端板部分には、エレメントを設定可能な領域がボックス状に設定されている。そしてデザイナーたちは、後方に向かう気流を制御するのに最適な解決策を模索するべく、様々なデザインを取り入れることができるのは間違いない。 この点では、翼端板自体の形状にも自由度が持たされているはずで、現在のレギュレーション下でのマシン同様、様々なデザインが登場することになるはずだ。 また、現在のF1マシンでは、ホイールリムを完全に覆う形の”ホイールカバー”が取り付けられているが、新レギュレーション下ではこれが外周部のみになるようだ。つまりホイールリムの中央部分は、外部に露出することになる。 この変更により、ブレーキの冷却には間違いなく影響が及ぶはずだ。また気流の流路も変更されるはずであり、デザイナーにとっては新たな課題となるはずだ。