期待の新星・横山葵海、東洋太平洋ランカーにダウンを奪われ辛勝 プロ2戦目の8回戦でメインイベント大抜擢/ボクシング
プロボクシングの元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(38)がプロモートする興行「3150×LUSHBOMU vol.3」が21日、ツインメッセ静岡で行われた。メインイベントのスーパーフライ級8回戦は、プロ2戦目だった2022年全日本選手権バンタム級優勝の横山葵海(あおい、23)=ワタナベ=が、東洋太平洋スーパーフライ級5位のデンマーク・ケビド(28)=フィリピン=に3-0の8回判定勝ち。辛勝でプロ2連勝とし、東洋太平洋ランク入りを確実にした。 横山はプロ2戦目で東洋太平洋ランカーに勝利したが、ダウンを奪われるなどプロの洗礼を浴び、反省の弁を繰り返した。 「デンマーク・ケビド選手、本当に強かったんでまた1からやり直しです。自分のボクシングができなかった。ディフェンス面があんなところでダウンを取られているようじゃあ全然駄目」 1回からボディー攻撃を中心に攻めたが、時折ケビドの強打を被弾。それでも6回まではプレスをかけて上下のコンビネーションで主導権を握った。しかし、7回に左フックを引っかけられて初のダウンを奪われ、8回も左フックを被弾するなどケビドの反撃を許し、試合終了のゴングが鳴ると首をひねった。ジャッジは76-75、76-75、78-73で全員が横山を支持したが、期待の新星は苦戦を強いられた。 大阪市出身の横山は3歳で極真空手を始め、小学3、4、5年生と全国大会を3連覇。中1でボクシングに転向した。大阪・浪速高から拓大へ進学し、22年全日本選手権バンタム級で優勝。4年時には主将を務め、24年パリ五輪を目指していたが、バンタム級が実施階級から外れたこともあり、今春の卒業後にプロ転向した。7月に東京・両国国技館で53キロ契約6回戦として、22年遼寧省選手権52キロ級優勝のワン・ハオ(中国)とプロデビュー戦を闘い、鮮烈な2回TKO勝ちをおさめた。 亀田氏は「新たな怪物ボクサー」と横山を大絶賛し、プロ2戦目でメインイベントに大抜擢(ばってき)。試合内容次第では3戦目で東洋太平洋王座戦を組むとまで話していた。横山は「来年もさらに強くなれるように努力するだけ。圧倒的に強くなれるように、これからも練習する。今回、倒せなかったんですけど、また倒せるように1から日々精進していきます」と謙虚に足下を見つめた。 興行はインターネットテレビのABEMAで無料生配信された。横山のアマチュア戦績は56戦44勝(12RSC)12敗、ケビドのプロ戦績は19戦13勝(7KO)4敗2分けとなった。(尾﨑陽介)