他候補を大音量で詰問した「つばさの党」、黒川敦彦代表「正当な政治活動で妨害ではない」…初公判で無罪主張
広がる「当選よりSNS収益」
東京都知事選(7月)や兵庫県知事選(11月)など、最近の選挙では、SNSの影響力の高まりが指摘されている。今回の事件のように、選挙活動への妨害を誘発しかねない状況にもなっており、識者からは対策を求める声が上がっている。
この日の公判で検察側は、黒川被告らが利益を得るためにSNSを選挙で使っていたと言及しており、当選よりも収益を目的としたSNS利用も懸念されている。
事件を受け、鳥取県は10月、選挙運動の動画配信などで得た利益について、選挙運動費用収支報告書への記載を義務づける条例を制定。担当者は「資金の流れを透明化させることで、SNSを利用した利益目的の過激な選挙運動を抑止したい」と語る。
白鳥浩・法政大教授(現代政治分析)は「SNSはこれまで選挙に興味がなかった有権者に訴えを届けやすい上、広告収入も入ってくることから、政治や選挙活動での利用は増えていくだろう」と指摘。「注目を集めようと過激な言動を行う候補者は今後も現れうる。SNSの運営者側が政治的内容の動画に広告料を出さないようにするなど、利益目的の選挙運動をさせない仕組み作りが必要だ」と話している。