『インターステラー』再上映、北米で記録的成績 A24作品は“ミスが続いている”と指摘も
ホリデーシーズンの前夜祭ともいうべき感謝祭の週末が終わり、北米映画市場はややおとなしい週末を迎えた――が、どうやら今年は例年と様子が異なるようだ。市場全体の興行収入は1億3200万ドルで、感謝祭の翌週末としての歴代記録を更新したのである。 【写真】『インターステラー』IMAX版スペシャルポスター やはり、映画館に観客が戻りつつあるという読みは見当違いではなさそうだ。これまで、感謝祭翌週末の歴代記録となっていたのはコロナ禍以前の2018年。『シュガー・ラッシュ:オンライン』と『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』、『クリード 炎の宿敵』が公開された年だった(感謝祭の週末も歴代記録を保持していたが、そちらも先週塗り替えられた)。 週末ランキングのNo.1は、前週に続き『モアナと伝説の海2』。金曜日から日曜日までの3日間で5200万ドルを稼ぎ出し、下落率こそ前週比マイナス62.8%と大きいものの、北米興収3億ドルの大台を早くも突破した。前作『モアナと伝説の海』(2016年)の北米累計興収が2億4875万ドルだったから、さっそくの“前作超え”である。 すでに本作は、北米年間ランキングの第5位にランクイン。同じくディズニーによる今年最高のヒット作『インサイド・ヘッド2』と比べると約80%の勢いで推移しており、どこまで上昇できるかが注目される。全世界累計興収も6億ドルを超えているため、こちらの“前作超え”も時間の問題だ(前作の世界興収は6億4333万ドル)。 もっとも今週は、「おとなしい週末になるはずだ」と踏んだ配給各社が仕掛けた多様なラインナップにも注目したい。 第6位には、クリストファー・ノーラン監督によるSF映画『インターステラー』(2014年)の製作10周年記念上映がランクイン。北米のIMAXシアター165館のみで週末興収442万ドルを稼ぎ出し、映画賞に関連しない再上映としては史上屈指の成績となった。ノーランが理想とするIMAX 70mmフィルム上映が可能な10館では、週末の全上映回が完売するほどの人気ぶりだったという。 絶大なる支持を受け、ノーランはコメントを発表している。「『インターステラー』の公開以来、長年にわたり、多くの方々に『IMAXスクリーンで観るチャンスはいつなのか』と尋ねられてきました。この週末、映画ファンのみなさんが『インターステラー』におけるオリジナルのIMAX体験を味わってくださったことに感激しています」 『インターステラー』の10周年記念上映は日本でも実施されており、一部劇場では上映が継続中。ノーランが推薦する「オリジナルのIMAX体験」を楽しめる貴重な機会だ。 第4位にはインド発のアクション映画『プシュパ 覚醒』(2021年)の続編『Pushpa: The Rule - Part 2(英題)』が初登場し、1245館で930万ドルという優秀なスタートを切った。第6位は、日本発テレビアニメの劇場版『俺だけレベルアップな件 ReAwakening』。第1期総集編+第2期の新規エピソードで構成され、日本でも11月29日に劇場公開された。第10位には、クリスチャン・ポップ・デュオ「フォー・キング&カントリー」のライブ映画『For King + Country: A Drummer Boy Christmas - Live(原題)』がランクインしている。