F2参戦の宮田莉朋、同世代ライバル角田裕毅のように言葉遣いも“カーリン色”に染まる!?「早速ダメな英語を教えてもらった」
2024年からFIA F2に参戦する宮田莉朋。所属するチームは、彼の同世代のライバルでもあり、現在はF1で活躍している角田裕毅の古巣カーリンだ。 随時更新! 2024年F1新車発表会日程まとめ そんなカーリンからポストシーズンテストに参加し、初めてF2のマシンを走らせた宮田。日本とはセットアップの進め方も異なるようだが、ドライバーの意見を全く聞き入れてくれないといった印象はなかったと語る。 「3日間しか乗っていないので分からない部分もありますが、僕の言うクルマのバランスに対してテストをしてくれたり、セット変更に対してどうクルマが変わるかを見たりと、何もしてくれないという感じではありませんでした。ただ、日本ほどガチャガチャやっている感じではないですね」 現在はローディン・カーズが買収したことによりチーム名が『ローディン・カーリン』となったカーリンは、その体制こそ以前とは異なっているが、歴史的に日本人ドライバーと縁の深いチームである。古くは佐藤琢磨が所属してイギリスF3でチャンピオンを獲得しており、F2では前述の角田や松下信治も所属した。 そういった背景が関係しているかどうかは分からないが、宮田はチームもウェルカムな雰囲気で家族的であったと語る。 「あまり『外国人が~』という印象もありませんでしたし、『日本人だから受け付けない』というような感じもありませんでした。そもそも、そういった雰囲気にならないためにも自分からガツガツ話していました」 「ファミリーな感じでしたし、早速“ダメな英語”を教えてもらいました(笑)」 宮田がカーリンの面々から“ダメな英語”を教わったのは、角田の前例を知っているためだ。角田は渡欧2年目でF2にステップアップしてカーリンに所属したが、この時に過激な単語も多々吸収した様子。レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、当時のことを俳優ダックス・シェパード司会のポッドキャスト番組の中で次のように回顧していた。 「彼(角田)は英語を学ぶため、そしてロンドン郊外に拠点を置くチームでレースをするためにイギリスにやってきた。彼らは『スナッチ』みたいなガイ・リッチーの映画に出てくるような連中だ。だからあの日本人の少年は、『mother f※※ker』や『f※※k』といった(侮辱的な)単語が単なる英語の語彙のひとつだと思っていた」 「だから初めてのF1マシンでのテストで、彼は『会いたかったよ、mother f※※ker』と言った。本気で言ってるのかと耳を疑ったし、笑ったよ」 このエピソードを知っていた宮田は、それをうまく利用して、カーリンの面々との距離を縮めたようだ。果たして2024年のF2では、宮田からどんな無線が聞けるだろうか。
戎井健一郎
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