【「鷹の爪」吉田くんが聞く】なぜ国は借金を重ねる? 日本の財政危機の裏側
「円安?」「国債?」「チャットGPT?」よく耳にするけれど、実際のところ何のことなのか、何が問題なのかわからないまま……そんな今さら聞けないニュースや用語の数々を、どこよりも楽しく、そしてわかりやすくご紹介します!大人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」の吉田くんが新聞記者となって、世の中の経済ニュース・時事用語を基本からていねいに紐解き話題となっている書籍『「鷹の爪」の吉田くんが聞く!経済ニュースと時事用語がめちゃくちゃわかる本』の中から一部を抜粋、編集してお伝えします。 【この記事の画像を見る】 本連載は、好奇心旺盛な「鷹の爪」吉田くんの質問を、先輩であるアカツキ記者が答えていく会話形式で構成されています。今回のテーマは「国債」です。 ● 日本はぼくらの知らないうちに、とても返せないぐらい大きな借金を抱えてしまっているらしいんです 吉田くん(以下、吉田):着替え、お気に入りの枕、思い出のアルバム、それから……。 アカツキ先輩(以下、アカツキ):どうした吉田、大きなカバンに色々詰め込んで、旅行にでも行くのか。 吉田:あっ、見られた。先輩にだけは特別に教えてあげますけど、これは夜逃げの準備です。先輩も今のうちに準備した方がいいですよ。 アカツキ:なぜ私が夜逃げをしなくちゃいけないんだ? 吉田:さっき公園で知らないおじさんに聞いたんですけど、日本はぼくらの知らないうちに、とても返せないぐらい大きな借金を抱えてしまっているらしいんです。こうなったら借金取りに追われる前にこっそり夜逃げするしかありませんよ。 ● 私たち国民が夜逃げをする必要はないからカバンを置いて自分の仕事をしろ アカツキ:落ち着け吉田。日本が巨額の借金をしているのは事実で、2023年末時点の国の借金は1286兆4520億円に達している。ただ、私たち国民が夜逃げをする必要はないからカバンを置いて自分の仕事をしろ。 吉田:1286兆円! 全然想像がつかないけど、とんでもない金額なんですよね、きっと。 アカツキ:財務省によると、1兆円を1万円札で積み上げると高さ10キロメートル、重さは約100トンになるそうだ。その巨大な1万円札の塔が1286個だから、まさしく想像を絶する金額だな。 吉田:でも先輩、国が借金をするって、いったいどこで借りるんですか。そんなすごい金額、銀行だってサラ金だって絶対に貸してくれませんよ。 アカツキ:国がお金を借りるときは、「国債」という債券を発行する。この国債を買った人が、国にお金を貸したことになる。国債を持っている人は国にお金を貸している立場だから、当然利子も受け取れる。財務省のホームページで計算すると、たとえば「固定金利5年満期」という国債を10万円分買ったら、毎年約600円の利子が受け取れる。5年後には国債そのものと引き換えに10万円が受け取れるし、途中で換金することも可能だ。