日本被団協、首相に核禁条約オブザーバー参加を要望 明確な回答なし
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員の田中熙巳(てるみ)さんらは8日、首相官邸で石破茂首相と約30分間面会した。被団協側は3月に米ニューヨークで開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議にオブザーバー参加するよう首相に要請。面会に同席した公明党の斉藤鉄夫代表によると、首相からは要請に対する明確な回答はなかった。 【写真まとめ】写真撮影する石破首相と日本被団協の日本被団協代表委員ら 首相と面会したのは、田中熙巳さん、田中重光さん、箕牧智之さんら8人。首相は冒頭、「長年にわたって被爆の実相を世界に向けて発信し、ノーベル平和賞という大変な栄誉を受けたことは極めて意義深い。長年のご努力に心から敬意を表し、感謝を申し上げる」と述べ、受賞の祝意を伝えた。田中熙巳さんは「受賞が発表になった翌日、(電話で)お祝いの言葉をいただき、どうもありがとうございました」と応じた。 その後の報道非公開の場で、被団協側が締約国会議へのオブザーバー参加を求め、首相は「そういうご意見もある」などと語ったという。 首相はオブザーバー参加について、これまでも「これからよく議論する」などと述べるにとどめてきた。 田中熙巳さんは面会後、報道陣に「被団協としての収穫はなかった」と厳しい表情を見せ、今後も面会を求めていく意向を示した。 日本被団協はノルウェー・オスロで先月10日にあったノーベル平和賞の授賞式に出席。田中熙巳さんが受賞演説し、「核抑止論ではなく、核兵器は一発たりとも持ってはいけない」と呼びかけた。【内田帆ノ佳、椋田佳代、竹内麻子】