政府の温室効果ガス削減目標は「極めて低い」、若者が1万人の署名集める
記事のポイント ①若者有志は小林史明・環境副大臣にGHG削減目標に関する署名を提出した ②政府が掲げた削減目標案を「極めて低い」とし、目標の引き上げを求めた ③オンラインで署名を募ったところ、10日間で若者1万人の署名が集まった
若者有志は12月20日、小林史明・環境副大臣に政府の温室効果ガス(GHG)削減目標の引き上げを求める署名を提出した。政府は2035年度のGHG排出量を2013年度比で60%減らす目標案を掲げる。若者有志が12月9日から削減目標の引き上げを求める署名を募ると、10日間で1万人の署名が集まった。(オルタナ副編集長=池田 真隆)
この署名を立ち上げたのは、大学生の山本大貴さん。気候危機について情報発信を行う任意団「record(レコード)1.5」の代表だ。 若者の意見を政府に伝える活動を行う一般社団法人日本若者協議会と環境活動を行うFridays For Future(フライデーズ・フォー・フューチャー)の各支部が呼び掛け団体として署名に参加した。 署名サイト「チェンジ・ドット・オルグ」で12月9日に立ち上げると、10日間で約1万人の署名が集まった。 署名を受け取った小林副大臣は、「若者の声を受け止めた。削減目標については、サイレントマジョリティーも含めて、様々な意見を聞いた上で集約したい。コストの問題も考慮したい」と話した。 国のGHG削減目標である「NDC」は、政府が年内にとりまとめる予定だ。2035年度までの削減目標を定める。政府は11月25日に、2013年度比で60%減らす目標案を示した。この目標案について、環境NGOなどから、パリ協定で定めた「1.5℃目標」とは整合しない削減ペースだと批判が相次ぐ。 呼び掛け団体の一つである、一般社団法人日本若者協議会の室橋祐貴代表理事は、「2050年カーボンニュートラルと『1.5℃目標』は異なる。世界全体で平均気温の上昇を産業革前と比べて1.5℃以内に抑えることを目指すには、世界全体で許容できるGHG排出量がある。その許容量を超えないように早期削減に取り組むべきだ」と話した。