「原作に惚れ込み、映画化を直談判しました」「日本の近未来が描かれている」原作者・平野啓一郎×主演・池松壮亮《映画『本心』特別対談》
近未来という要素がどう作用するのか
――2040年代の近未来という時代設定、主人公はVR(ヴァーチャル・リアリティ)のなかで失った母を求め続ける人物という難しい役柄です。池松さんが特に意識したことは何だったのでしょうか。 池松近未来を描いた題材を初めて演じました。なぜこの物語にこの要素が必要だったのか、出来上がった映画を観たときに近未来という要素がどう観客の心に作用するのか、そういったところから考えていく必要があると思いました。 主人公の朔也は未来人ですが、どういった性質を持っていて、自分たちと何が一緒なのか。その上で、いつどこで誰が観ても、朔也の感情とシンパシーでこの物語を引っ張っていけることを目指していました。 テクノロジーやAIというものの対比として、自分にいま存在する肉体から生まれる感情の余白でスクリーンを埋めていくようなことを目指したいと思っていました。 『本心』 11月8日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー (C)2024 映画『本心』製作委員会 配給: ハピネットファントム・スタジオ 原作:平野啓一郎「本心」(文春文庫 / コルク) 監督・脚本:石井裕也 ………… 【つづきを読む】「人間同士の心の“掴みどころのなさ”を語り合ってほしい」原作者・平野啓一郎×主演・池松壮亮《映画『本心』特別対談》
伴田 リサ(ライター)